速水もこみちがデロリアンに惹かれるワケとは 夢のキャンピングカー生活も語る
愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第53回。後編では、俳優の速水もこみちさんが今、気になるクルマに見て、触れた。 【写真を見る】速水さんとデロリアン(14枚) 超豪華キャンピングカーのインテリアも凄い!
憧れのデロリアン
撮影場所にDMC「デロリアン」が自走で姿を現すと、速水もこみちさんは「本当に来た!」と、声を上げて喜んだ。 「昨年のことなんですが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』仕様にカスタマイズされたデロリアンの運転席に座らせてもらったことがあるんです。僕はアメコミやアメリカ映画が好きなので、『こうなっているのか!』と、感激しました。あの日以来、憧れのクルマです」 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するタイムマシンとして使われて有名になったDMCデロリアンであるけれど、このクルマが生まれた背景も非常に興味深い。 1925年にアメリカ・デトロイトで生まれたジョン・デロリアンは、クライスラーのエンジニア養成学校で学んだあと、パッカードを経てゼネラルモーターズ(GM)で働いた。デロリアンはエンジニアとして優秀だっただけでなく、マーケティングにも長けており、1964年に発表したポンティアック「GTO」が大ヒットする。このクルマの大ヒットはGMに収益をもたらしただけでなく、同社のブランドイメージを若返らせることにも成功した。 これに加え、その後シボレーでのゼネラル・マネジャーとしての功績も認められ、デロリアンは1972年、当時としては史上最年少で巨大企業GMの副社長に就任することになった。 けれどもデロリアンは理想のクルマを作りたいという思いを抑えることができず、GMを退社してDMC(デロリアン・モーター・カンパニー)を立ち上げた。こうして1981年に発表されたのがDMCデロリアンで、エンジニアリングをロータスが担い、デザインを巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手がけるという、まさに夢のクルマだった。 ガルウイングのドアを開けて降り立ったデロリアンのオーナーを、速水さんは質問攻めにする。「メンテナンスはどこでするんですか?」「部品は手に入るんですか?」、などなど。 オーナーによれば、エンジンとトランスミッションはルノー製で、部品はほぼ全て手に入るとのこと。メンテに関しては豊橋にある「DMC-J」というデロリアン専門店が面倒を見てくれ、デロリアンのオーナーズクラブも頼りにされているという。ちなみに、デロリアンは約9000台が生産され、そのうちおよそ200台が日本を走っているそうだ。 デロリアンにまつわる話を聞きながら、速水さんは、「めっちゃ気になりますけど、最近はかなり相場が上がっちゃったんですよね」と、つぶやいた。確かに、以前は300万円台、500万円台で店頭に並ぶ個体もあったけれど、最近は軒並み1500万円以上のプライスタグを下げている。 「自宅には、DIYや絵を描くための作業場があるんですけれど、あそこで手を入れたり、眺めたりしたら最高でしょうね。レストアが完成したら、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のサントラを聴きながら走りたいです(笑)」