溶連菌咽頭炎 宮城・仙南地域で警報レベル続く 「人食いバクテリア」専門家に聞く危険性
khb東日本放送
宮城県で1医療機関当たりの溶連菌咽頭炎の感染者数は先週より減りましたが、仙南では警報レベルが継続されています。
宮城県で10日から16日までの1週間に確認されたA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、いわゆる溶連菌咽頭炎感染者数は1医療機関当たり3.44人で、先週と比べて2.01人減少しました。 地域別にみると仙南で7人(前週比7.5人減)、石巻で4.33人(2.84人減)、塩釜で3.4人(0.8人増)、仙台市で3.19人(2.25人減)などとなっています。仙南では18週連続で警報レベルが継続されています。 宮城県はせきやくしゃみなどの飛沫から感染するため、手洗いなどの基本的な感染対策を徹底するよう呼び掛けています。 咽頭炎の原因である溶連菌は、時に致死率が極めて高い劇症型溶血性レンサ球菌感染症と呼ばれる感染症を引き起こすことがあります。その危険性について専門家に聞きました。 劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、傷口などから溶連菌に感染することで手足の壊死などを引き起こす症状で、進行が非常に早く患部の切断を迫られる場合もあります。人食いバクテリアとも呼ばれていて、致死率は30%と非常に高い病気です。 東北医科薬科大学藤村茂教授「傷口がすぐに腫れ上がってきて紫色になってきたり熱を持ってきたりしている。普通の傷とは全然違いますよね。ちょっとでも判断が遅れると、切断どころではなく命が危ないという話になります」 国立感染症研究所によりますと、1月から6月9日までの劇症型の感染者は全国で累計1000人を超え、既に過去最多だった前年の941人を上回っています。 藤村教授は、ヨーロッパや北米で流行している感染力の高いM1UK株が国内に入って来たことが増加している理由の1つと見ています。 東北医科薬科大学藤村茂教授「インバウンド需要などで人の往来が激しくなって外国の方も来るし日本の方も向こうに行って、もしかしたら拾って帰ってきてる可能性もある。そういう株が日本にも入り込んできたのが多少影響してるだろうとは思ってます」 一方で、咽頭炎を引き起こした溶連菌が、そのまま劇症型の原因となるとは考えにくいとしています。 東北医科薬科大学藤村茂教授「咽頭炎で悪さをした溶連菌が、ある時体の中で急激に変異して劇症型に変わるのかというとたぶんそれはないかなと思います」 藤村教授は、けがをした時に傷口が熱を持ったり倦怠感などの全身症状を感じたりしたら、その日のうちに医療機関を受診するよう呼び掛けています。
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