タクシーでアロハシャツ、バスは制帽廃止 悩みの種だった運転手の暑さ対策は「見た目も楽しく」
長野県内のバス・タクシー会社が、運転手の装いを暑さに対応して変えている。中央タクシー(長野市)は涼しいアロハシャツを採用し、長電バス(同)は制帽を廃止した。ドライバーが快適に運転できる環境を整え、安全性の向上にもつなげる狙いがある。 【写真】アロハシャツを着たタクシーの運転手
中央タクシーは、運転手の暑さ対策などとしてアロハシャツの着用を始めた。10年ほど前に数年間、夏季に実施して利用客にも好評だったといい、今月16日から再開した。
ドライバーの若林みあいさんが、学生時代に同社の運転手がアロハシャツを着ているのを見て「涼しそう」と感じたことを思い出し、宇都宮司社長に再開を提案した。以前はブラウスにベストを着ていたが、若林さんは「クールビズなどさまざまな装いが認められている今、見た目にも楽しく良い服装だと感じる」と話す。
アロハシャツを着用するドライバーの車両は5台で、8月末ごろまで続ける予定。旅行気分を味わってもらおうとハワイアンミュージックを流すなどの演出もしている。
長電バスは、運転手の暑さによる負担を和らげるため、昨年夏に制帽をなくした。フロントガラスが大きいバスの運転席は強い直射日光が当たり、車内は乗降口の開け閉めが多いため冷房効果も低い。暑さは悩みの種といい、長野営業所の嶋倉仁副所長は「暑さを我慢して制帽を被っているより快適」と話す。
同社は2020年からドライバーのサングラス着用も認めており、制帽のつばがなくなった分、日差しはサングラスやサンバイザーで対応している。