エヌビディアCEOが「キングメーカー」に、言及した企業の株価上昇
(ブルームバーグ): 米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が18日に行った基調講演は高い注目を集めたが、同社の株価を大きく動かすには至らなかった。しかし、エヌビディアの顧客やパートナーの株価には響いている。
フアン氏は基調講演で「ブラックウェル」と名付けられた新たなプロセッサーデザインを発表。通常取引終了後の時間外ではエヌビディア株は一時約1%下落した。一方で、プレゼンテーションで同氏が言及した企業の株価は上昇している。
ソフトウエアメーカーのシノプシス、ケイデンス・デザイン・システムズ、アンシスは、19日の通常取引開始前の時間外で2%余り上昇。フアン氏は、各社が「ブラックウェル」ベースのプロセッサーを利用し、それぞれの製品に人工知能(AI)をより多く搭載していくと語った。
デル・テクノロジーズの株価も通常取引前の時間外で一時1.6%上昇。フアン氏は講演で「チャットボットや生成AIを構築している人は皆、それを実行する準備ができたらAI工場が必要になるだろう」と述べ、「デルほど、企業向けの超大規模なエンド・ツー・エンドのシステム構築が得意な企業はない」と語り、デルのマイケル・デルCEOに目配せした。
ソフトウエア会社SAPも、同社のサービス開発にエヌビディアのプラットフォームが使われているとフアン氏が言及した後に上昇。
同氏は「エンタープライズIT業界には宝の山がある」とし、「彼らは仕事の進め方について多くのことを理解し、何年もかけて作られた素晴らしいツールを持っており、大量のデータも抱えている」と語った。
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原題:Nvidia CEO Becomes Kingmaker by Name-Dropping Dell, Ansys (1)(抜粋)
--取材協力:Subrat Patnaik.
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Jeran Wittenstein