大阪府警の女性選手初の快挙 柔道グランドスラム東京Vの足達実佳選手「目標は五輪で金」
東京体育館(東京都渋谷区)で7日に開催された「柔道グランドスラム東京2024」(国際柔道連盟主催)の女子57キロ級で大阪府警本部警備部第一機動隊に所属する足達実佳巡査(24)が優勝した。府警所属の女性選手による同大会優勝は初の快挙。府警本部で開かれた表彰式で、足達選手は4年後のロサンゼルス五輪を見据え、「日本代表選出を目指し、金メダル獲得が目標」と更なる飛躍を誓った。 【写真】大阪府警の岩下剛本部長から表彰状を受け取り、笑顔を見せる足達実佳選手 ■「府民を守れる警察官に」 足達選手は、滋賀県出身。小学1年の時、父に連れられて道場を訪れたことをきっかけに競技を始めた。府警には昨年4月に柔道特別訓練員として入庁。得意技は大外刈りだという。 飛躍の年となった今年は、9月に日本武道館(東京都千代田区)で開催された全国警察柔道選手権大会に63キロ級で優勝。11月に「日本代表の登竜門」として知られる講道館杯で準優勝した。 12日の表彰式では、足達選手が大会結果を報告し帰任を告げると、岩下剛本部長が「今大会のタイトル奪取、我が事のようにうれしく誇りに思う。府警職員であると同時に我が国のトップアスリートでもある。国民が憧れる選手になってほしい」と激励。表彰状を手渡した。 足達選手は、今大会が国際大会のデビュー戦で海外勢との公式戦も初めて。大会にはパリ五輪男子90キロ級で銀メダルを獲得した村尾三四郎選手らも出場しており、緊張して臨んだという。 1回戦から準々決勝までは海外勢と対戦し、外国人選手特有の手足の長さや筋力差に苦しんだが、辛くも勝利。日本人対決となった準決勝は、国際大会で何度も優勝経験があるベテラン、玉置桃選手との対戦となったが、ゴールデンスコア(GS・延長戦)の末、勝利を収めると、決勝は講道館杯決勝で敗れた渕田萌生(めぐみ)選手との同級生対決に。寝技を得意とする渕田選手の猛攻をしのぎ、GSに持ち込むと隙を突いて小内刈を決め、勝利した。 式典後、足達選手は「世界で活躍する警察官がいることを知ってもらい、府民を守れる警察官になりたい」と笑顔で話した。(土屋宏剛)