【独自】大阪公立大学医学部付属病院を提訴へ 明らかな医療ミスも病院側は当初公表せず
■病院とのやり取りを記録した音声データを入手
関西テレビが入手した事故から1カ月後の病院と家族とのやり取りの音声では 【麻酔科医】「(鎮静剤の大量投与で)低酸素脳症のリスクはあります。それに関する認識を、どれぐらい呼吸が止まりやすいとか、そういうことまではっきり(看護師に)伝えきれていなかった」 【病院側】「(担当した看護師)3人は謝罪して、退席をさせていただきます」 【家族】「何があったかというのを私たち家族がしっかり本人から聞かないとダメなんで」 【病院側】「本人(看護師)たちが非常に気持ちも混乱しておりまして…」 (20年1月15日のやりとり。遺族提供音声データより)
■遺族「速やかに公表したほうが医療事故は減る。それが一番」
当時、病院には重大な医療事故について、報道機関などを通じて公表するとした内規がありました。 しかし、病院側は内規について家族に伝えずホームページでのみ公表。 家族の再三に渡る要望の末会見を開いたのは、事故から3年も後のことでした。 【大阪公立大学医学部付属病院 中村博亮病院長】「本来でしたら、我々の方からきちんと明示して公表基準があるということをお伝えするべきだったと反省しています」 病院側は、公表の遅れを謝罪。 病院の事故調査委員会は、業務手順のマニュアルがなかったことやリスク把握の問題などを指摘しました。 【死亡した患者の長男】「おとうちゃん…」 家族は回復を願い看病を続けましたが、父親は、意識を取り戻すことがないまま去年、肺炎で亡くなりました。 家族は、病院に対しおよそ1億4000万円の損害賠償を求め今週、大阪地裁に提訴します。 損害内容には意識不明の後遺障害をおったほか公表の遅れによる家族の精神的苦痛も含まれています。 【死亡した患者の長男】「その方(速やかな公表をした方)が医療事故減るでしょ、それが一番ですね」 「最初の弁護士の話し合いのときに(病院側が)お金の話をしてきたときに、ああ、世の中っていうのは結局こういうことで色々、闇に葬られている出来事がいっぱいあるんだなと」 「簡単な手術で人の命を奪うようなそういう事故がなくなってほしいと思う」