110周年迎える大阪「天王寺動物園」で初のプラネタリウム、全盲ガイドが暗記して星の魅力伝える
2025年に110周年を迎える「天王寺動物園」(大阪市天王寺区)に11月10日、初の「プラネタリウム」が登場。SDGs企画の一環として、1日限定でおこなわれた。 【写真】寝転がって楽しむ参加者たち 動物を通じて環境問題や命のつながりについて考えてもらおうと「SDGs」と「ZOO」を絡めたイベント『天王寺動物園で学ぶSDGzoo』。3年目となる今回は「いのちを紡ぐ物語」をテーマに朗読劇や作家による講演会、クイズラリー、いきもの教室、ワークショップなどさまざまな企画が実施された。 特別企画『夜空に浮かぶ動物園~心で感じる星空の動物たち~』では、本物の星空をなかなか見ることができない人へ出張プラネタリウムをおこなう団体「星つむぎの村」の協力のもと、一度に25名が楽しめるドーム型のプラネタリウムが出現。 解説担当は、石川県の児童館にあるプラネタリウムで星空ガイドを務めていた、全盲の木下真由さん。自身と同じような視覚障害者の人たちにも楽しんでほしいと、公演内容を全て暗記し、優しいトーンと分かりやすい説明で好評を博してきた。しかし、能登半島地震の影響で閉館。そんななか、『SDGzoo』との縁によって「天王寺動物園」での解説が実現したという。 参加者たちは、宇宙空間が広がるドームテントのなかに寝転がり、満点の星空に包まれた。木下さんは、方角ではなく「3時の方向」と案内したり、季節や動物たちの話を交えながら星の魅力を伝えた。 一緒に解説をおこなった「星つむぎの村」代表の高橋真理子さんは、「見えていても、見えなくても、見ることが難しい状況にあっても、どんなときにだってみんなの頭のうえには星があって、みんなを見守ってるってこと、私たちは同じ星のした、共にいるっていうこと、それをぜひ、一緒に体験してくださいね」と伝えた。