西田有志は髙橋藍を「常に狙っていた」SVリーグ開幕戦、サントリーvs大阪ブルテオンで2人が散らした火花
【髙橋はよりチームとのフィットを】 忸怩(じくじ)たる思いを語った髙橋は、"勝負の勘"に優れている。それだけに、勝ち筋を見つけられない戦いに身悶えしていたのだろう。それでも、パイプを決め、ブロックに成功し、「ディフェンス力が違う」とチームメイトたちに絶賛される力も誇示した。反応の早さで自らのブロックをフォローする機敏さもあった。 髙橋は昨シーズンまで、イタリア・セリエAでプレーしていた。そこでプレーオフ決勝を戦い、サンバーズでは"助っ人外国人"のような存在とも言える。同時に、それは彼がチームに適応し、周りもフィットする必要があることも意味していた。 開幕直前、髙橋はこう語っていた。 「オポジットに(ドミトリー・)ムセルスキーというエースがいるので、自分の役割はディフェンスに向いていくのかな、と思います。ムセルスキーがブロックするだけで変わってくる。誰を基準にチームを回していくか、もっと慣れていって、楽に試合を展開できるようにしたい」 真価が見えるのは先の話だ。 この日、「2人の物語」は十分に濃厚だった。ただ、他のキャストの魅力に気づいた人も少なくないだろう。その熱が、各地で火ぶたを切るSVリーグの試合にどんどん伝播していけば――。 10月14日、サンバーズとブルテオンは再び相まみえる。対決の地は両チームの地元、大阪。2人のスターの輝きのなか、他の星もきらめき出す。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki