ギリシャ戦を優位に戦うための3つのポイント
■ポイント(2) 90分を通してのゲームコントロール ギリシャは10年前、絵に描いたような堅守速攻のスタイルで欧州王者に輝いた。ときの指揮官、レーハーゲルからバトンを引き継いだポルトガル人のサントス監督は、ポゼッションスタイルへの転換を試みてきたが、それでもなお現チームの強みは堅守速攻になる。初戦ではコロンビアに先制を許し、相手に守られ、カウンターを狙われる展開に陥った。ギリシャがボールを保持する時間が長かったが、コロンビアを脅かすような攻撃はほとんど出来ずに終わった。ギリシャはやはり、相手がボールを持っているときに、強みを発揮するチームなのだ。 ■遠藤「ギリシャでは先手を取りたい」 それはつまり、コートジボワールとはまるでタイプが異なるチームということを意味している。遠藤は言う。「コートジボワール戦の反省がすべてギリシャ戦に当てはまるとは思わない。ギリシャはギリシャの特長がある。それを頭に入れて、前回は自分たちが後手に回ることが多かったので、プレスに関しても、攻撃に関しても、先手を取りたい」。 おそらく試合は、ボールを保持する日本と、守ってカウンターを狙うギリシャという構図になるだろう。それは、日本にとって願ったり叶ったりであると同時に、ギリシャにとっても狙い通りの展開だ。コートジボワール戦で見せられなかった「自分たちのサッカー」を日本が取り戻したように見え、実は、カウンターを狙うギリシャの術中にハマっていた、ということにもなりかねない。だからこそ、ゲームとチームをコントロールできるベテランが必要になる。その役目を担うのが、W杯3大会連続出場となる遠藤だ。 昨年11月以来、試合途中から出場し、ゲームの流れを変える役目を担ってきた遠藤だが、ポゼッションを高めるためだけでなく、日本のスタイルを出そうとして必要以上に前掛かりになってカウンターを浴びないためにも、冷静に試合の流れを読める遠藤を先発に復帰させたい。