【車いすラグビー日本選手権予選・沖縄大会】無敵のBLITZが貫禄の首位通過を果たす。
10月28日と29日、「第25回車いすラグビー日本選手権予選 沖縄大会」が沖縄市体育館(沖縄県沖縄市)で開催された。 東京、福岡予選に続いておこなわれた今大会には、BLITZ(東京)、Okinawa Hurricanes(沖縄)、WAVES(大阪)の3チームが出場し、チームカラーを活かした三者三様の戦いが会場を沸かせた。 総当たり戦を2回実施した全6試合の結果、BLITZとOkinawa Hurricanesが日本選手権(2024年1月開催)の出場権を獲得した。
4戦全勝、破格の強さで1位通過を果たしたのは、東京を拠点とするBLITZだ。 島川慎一、小川仁士、長谷川勇基ら現役日本代表を擁し、さらに今年度は池崎大輔も加わって、登録メンバー9名のほぼ全員が代表経験者というエリート集団である。 今季初の公式戦となった今回の予選では、攻守において国際試合さながらのスピードとパワーを見せつけ、4試合すべてで相手を20点以上引き離す貫禄の勝利を飾った。 なかでも、一番障がいの重い「クラス0.5」で国内トップクラスの実力を誇る長谷川が抜群の存在感を放った。 コートを広く見渡し、豊富な運動量で相手の足を止める。そして、日本代表の岸光太郎ヘッドコーチも認める、国内ナンバーワンの正確な「ヒッティング」(※)で早いトランジションを生み出し、攻撃のリズムを作った。 (※投げる代わりに拳などでボールを打って、パスやスローインをおこなうプレー)
体調不良により3か月間「ラグ車」(競技用車いす)に乗っていなかったという長谷川だが、そのブランクをまったく感じさせないキレッキレのプレーでチームの勝利に貢献した。 また、池崎とともに今シーズン新加入した山村泰史も、最終戦でスタートに起用されるなど様々なラインアップで活躍した。 22年ぶりに車いすラグビーを始めた山村は、現在55歳。子育てが落ち着き、今年1月におこなわれた日本選手権を観戦して「自分もできるんじゃないか」と復帰を決めた。 22年前は、かつて日本選手権で5連覇(2000~2004年)を果たした「チーム フェスタ」に所属し、そのときのチームメートが、ヘッドコーチを務める荻野晃一と島川だった。ラグビーをまた始める、という山村の言葉に、「はじめは冗談かと思った」と笑う島川だが、ラグ車を新調して本格的に競技に復帰すると、誰よりも練習熱心でどんどん上達しているという。 「やってみたら面白くてハマってます」と山村。ムードメーカー的なキャラクターに、チームの雰囲気もやわらかく、楽しくなったそうだ。