SNS型投資詐欺、富山県内で急拡大 県警と証券会社、抑止へ連携
富山県警が今年把握したSNS型投資詐欺の被害が4月末までに42件、3億3969万円と、昨年同期の2~3倍ペースで急拡大している。著名人や投資家をかたる手口は9件で、4月には5千万円の被害も確認され、1件当たりの最多の被害額となった。県警は証券会社との緊急対策会議を15日に県警本部で開き、抑止へ連携することを確認した。 SNS型投資詐欺はSNS(交流サイト)上の偽広告を入り口に、無料通信アプリなどでのやりとりを重ねて投資を勧められる手口で、全国で被害が相次ぐ。 著名人らをかたった手口も目立ち、県警も9件の被害を確認。実業家の堀江貴文さんや経済アナリストの森永卓郎さん、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者らを名乗る事例があった。 このうち、大和証券チーフテクニカルアナリストの木野内栄治さんをかたる広告で、県内の被害者が5千万円をだまし取られたとの相談が県警に寄せられた。
県警は15日の会議で、被害の状況やだます手口を県内の証券会社と共有し、11社13事業所を「投資詐欺防止サポーター」に委嘱。各社の社員に窓口対応や営業の際、顧客にチラシを配って注意を促してもらい、連携して防止に取り組む。 県警治安対策プロジェクトチームの福山大総括責任者はあいさつで「SNSで結び付いたり離れたりする匿名性の高いグループによって広域的に行われている犯罪」と説明。「投資のプロと互いに情報交換し、被害を抑えたい」と述べた。 島大証券(富山市)の奥野茂和管理部部長は取材に「投資経験があるからこそだまされやすい傾向があるかもしれない。被害者を追い込む綿密な手口を使っていると驚いた」と話した。