養鶏の一大産地で鳥インフルエンザ 生産者「対策にも限界が」 食卓への影響は 愛知・常滑市
ニワトリの体調が整わないまま冬場を迎える
相次ぎ感染が確認された愛知県常滑市を含む知多半島のエリアは県内でも東三河と並ぶ養鶏の一大産地です。 「県内の約30%の養鶏農家が知多半島エリアで飼育していて、羽数で言うと40%強にあたる羽数を飼育しています」(愛知県養鶏協会 内田清政さん) 愛知県養鶏協会の内田さんによると、県内で卵を産む生後6カ月以上のメスの飼育数は約660万羽。このうち4割以上が知多半島のエリアに集中しているといいます。 去年は長引く厳しい暑さから一転、急激な寒さに。ニワトリの体調が整わないまま冬場を迎えました。このため、病気にかかりやすくなっているのではと心配しています。 「鳥インフルエンザのワクチンもあるけど、まだ国内では許可されていません。野鳥や野生動物の侵入を防止する柵を作ったり、消石灰を農場内にまいたりしながら、要するに防疫体制を強化している状況でしか今のところ防衛ができない」(内田さん) 対策に追われる養鶏農家。内田さんは風評被害に懸念を募らせ、1日も早い収束を願います。 「養鶏場の皆さんは、この時期になると『早く過ぎてくれ、早く過ぎてくれ』という切実な気持ちで生活されています。鳥インフルエンザが発生した人たちや、発生にビクビクしながら経営を続ける人たちを励ましていただけたらありがたいです」(内田さん)
食卓への影響は…
私たち消費者とって心配なのが、食卓への影響です。 「JA全農たまご」が公表している卵の相場を見てみると、去年の名古屋地区のMサイズ1kg当たりの卵の価格は、去年の8月ごろから上昇しはじめ、12月には300円にまで上がりました。 記録的な猛暑でニワトリが夏バテし、産卵数が減った影響です。 一昨年も「エッグショック」といわれ、卵の供給が不安定になりました。このときは一時360円まで上がったので、その時よりは落ち着いていますが、今回の鳥インフルエンザの発生で、今後の価格見通しはどうなるのか。 愛知県養鶏協会の内田さんによりますと「愛知には、静岡や関東地区の卵も入ってくるので、現時点ではそこまで価格に大きな影響はないとみている。ただ、もともと1~6月は全国的に卵が不足するといわれていたので、感染が広がれば名古屋の相場はもう一段上昇するのでは」としています。