尹大統領「改革は必然的に抵抗を招く」…医学部増員と人事めぐる批判を無視
大統領国政のブリーフィング・記者会見
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は29日、国政ブリーフィングを開き、「改革は必然的に抵抗を招く。改革の過程は険しい道のりになるだろう」とし、医学部の増員など主要国政課題を変わらず推し進める意向を再度表明した。「医療空白」の懸念や「(夫人の)キム・ゴンヒ女史の特恵調査」をめぐる物議については、「何の問題もない」という認識を示した。 尹大統領は同日のブリーフィングで、「安易な道は選ばないつもりだ。国民に約束した通り、4大改革を必ず成し遂げる」とし、「それが国民の皆様に任せられた召命を完遂する道だと固く信じている」と述べた。この日の国政ブリーフィングは経済や外交、社会などの分野で収めた主な成果を尹大統領が40分にかけて自ら説明する形で行われた。 専攻医(インターン・レジデント)の離脱など医師集団の反発に直面した医療改革に関しては、「すでに医学部増員(計画)は完了しており、これからは改革の本質である『地域、必須医療の復元』に政策の力量を集中させる」とし、引き続き進める意志を改めて表明した。 ブリーフィングに続いて行われた記者会見で、尹大統領は秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句)の連休期間に懸念される医療空白について、「非常診療体制が円滑に稼動している。政府も努力しており、また国民の皆様に強く支持していただければ、医師が全員戻ってくるまで非常診体制で運用することができると考えている」と述べた。現在、医療現場は大きな問題がなく、国民が政府を信じて支持してくれれば、医療空白はすぐに正常化するという意味だ。 政府が与党「国民の力」のハン・ドンフン代表の「2026年度医大増員猶予」提案を拒否したことで浮上した党との軋轢(あつれき)についても、尹大統領は「与党と政府の間には全く問題がない。様々な懸案について様々な意見が出てくるのが自由民主主義ではないか」と一蹴した。野党が強く求め、ハン代表など与党の一部でも必要性を認めている「(殉職した海兵隊員)C上等兵特検」については、「国会聴聞会で(捜査に対する)外圧の実体がないことが自然に明らかになったのではないか」とし、否定的な態度を貫いた。キム・ゴンヒ女史のブランドバッグ受け取り事件の訪問取り調べをめぐり、特別待遇だとの批判の声があがっていることについて、「私も検事時代に前職大統領夫人を自宅まで直接訪ねて取り調べを行ったことがある」として、キム女史に対する検察の訪問取り調べには問題がないという認識を示した。 キム・ヒョンソク独立記念館長の任命やキム・ムンス雇用労働部長官候補の指名など、最近物議を醸した人事については、「政府の人事は国家に対する忠誠心と職責を任せられる力量、この二つを見て決める」と述べ、何の問題もないという態度を示した。 尹大統領は同日の国政ブリーフィングで、「4+1(年金・医療・教育・労働+少子化対策)」改革の推進方向を説明するのに多くの時間を費やした。年金改革に関して、国民年金国家支給保障の明文化▽世代ごとの保険料の差別化▽任期内に基礎年金を月40万ウォン(現行30万ウォン)に引き上げなどを繰り返し強調した。 同日の国政ブリーフィングについて、野党「共に民主党」のチョ・スンレ首席報道担当は「暮らしと医療空白をめぐる国民の不安と苦しみについて謝罪の一言もなかった」とし、「財政も福祉も外交も安保も最悪なのに、大統領一人で違う国に住んでいるのではと思えるほどだ」と批判した。国民の力のハン・ジア報道担当は「政府とともに『4+1改革』の完遂のために最善を尽くす。野党も力を合わせてほしい」と述べた。 イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )