官民一体でシンボルフィッシュを守れ 淀川で天然記念物「イタセンパラ」成長/大阪
行き交う市民ランナーも興味津々
この日、記者が撮影した稚魚は、大きいもので体調8センチほどに成長していた。体高が高く、背びれや尻びれが大きい。天然記念物にふさわしく優雅な気品が漂う。地引網調査を繰り返すうちに、河川敷を行き交う市民ランナーやサイクリストたちが立ち止り、興味深そうにのぞきこむ。北区在住の女性ランナーにとって、「インセンパラ」の名前は初耳。「忘れないうちにメモしておきます」と、スマホのメモ機能を使って、その場で名前を書き込んだ。イタセンパラと対面すると、さっそくスマホで撮影していた。 男性サイクリストは北海道から大阪へ単身赴任中とのこと。「天然記念物がいるんですか。大阪はすごいなあ」と驚いた様子だった。定期的な保全活動自体がイタセンパラを知らしめる広報活動にもなっているようだ。 大阪工業大学特任教授で同ネットワーク会長の綾史郎さんは「このまま稚魚が順調に成長すると、秋には産卵する。来年の稚魚は野生の2代目となり、本来の野生繁殖復活に大きく近づく。今がとても大事な時です」と話す。 その上で、「大阪の宝物を市民の連携で守っていきたい。関心があれば、いちど城北ワンドへ足を運んでください」と、活動への参加を呼びかけていた。大阪人なら、イタセンパラから目が離せない。詳しい問い合わせは同ネットワーク(同研究所水生生物センター内)(072・833・2770)まで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)