「高級おにぎり」がパリ五輪フェンシングで注目、閉店ラッシュの“タピオカ・唐揚げ”との違い
パリ五輪で個人、団体合わせて5個のメダルを獲得したフェンシング日本代表。加納虹輝、見延和靖、山田優ら男子選手を食事面で支えたのは『おむすび権米衛』パリ支店の「おにぎり」だったと『Number Web』が報じた。 【写真】パリ五輪フェンシング日本代表を支えた“絶品おにぎり” 『おむすび権米衛』以外にも、行列のできることで知られる『ぼんご』など、おにぎり専門店が大人気。東京・渋谷駅周辺だけでもおにぎり専門店が10店舗以上ある。コロナ禍のテイクアウト需要は落ち着いている今なお、おにぎり専門店が支持されているのには何か理由があるに違いない。ブームになったものの“失速”したタピオカ店、唐揚げ店とは違い、おにぎり専門店の人気が落ちない理由を経営コンサルタントの平野敦士カールさんに聞いた。
“プチ贅沢”ブームも
「複数の要因が考えられます。まずは、開業のハードルの低さ。おにぎり専門店は、唐揚げ店やタピオカ店に比べて、特別な設備を必要とせず、小さいスペースでも開業しやすいという特徴があります。また特別な訓練を受けた職人も不要。そのため、新規参入が容易で、店舗数が増加傾向にあります。 次に安定した原材料価格。おにぎりの主な原材料である米は、国内生産のため円安の影響を受けにくく、価格が比較的安定しています。ただし最近は価格が上昇しており、今後は注意が必要です。最後に、日本人の食文化の根強さ。おにぎりは老若男女問わず広く親しまれています。持ち運びに便利で、腹持ちもよく手軽に食べられるという点も、忙しい現代人のニーズに合致しています」(平野さん、以下同) タピオカ店、唐揚げ店が閉店ラッシュになったのはなぜなのだろうか。 「ブームが沈静化したことが一つの要因です。特に唐揚げ専門店は、比較的低コストで開業できるため、多くの企業が参入し、市場が飽和状態になりました。その結果、競争が激化し、顧客獲得が困難になった店舗が増加したと考えられます。唐揚げはシンプルな料理で店舗間の差別化がしづらく、顧客を惹きつけ続けることが難しいという側面もあります」 おにぎりはコンビニでも買えるが、なぜみんなわざわざ専門店に? 「専門店はコンビニとは異なり、高級食材を使用した“進化系おにぎり”や豊富な具材、トッピングを提供することで、消費者の多様なニーズに応えています。さらに近年、“プチ贅沢”という言葉が流行しているように、消費者は少し贅沢なものを求める傾向があります。1個250円~450円ほどの高価格帯のおにぎりでも、こだわりの食材や手作り感によって人気を獲得しています」 また、これからもおにぎり専門店の出店が増加する可能性があるという。国民食であるおにぎりの根強い人気は衰え知らず!?