ベッツ「自分を信じろ」フリーマンの助言でV犠飛「WS勝ちたい」骨折復帰後2番&右翼受け入れた
<ワールドシリーズ:ヤンキース6-7ドジャース>◇第5戦◇30日(日本時間31日)◇ヤンキースタジアム 【写真】ドジャース超豪華“MVP妻”3ショット ドジャースのワールドシリーズ制覇には、大谷とともにMVPトリオを形成する2人の存在が大きかった。フレディ・フリーマン内野手(35)は第1戦から4試合連続本塁打で、シリーズMVP。ムーキー・ベッツ外野手(32)は第2戦から4試合連続安打で、この日は8回に決勝犠飛を放った。 ◇ ◇ ◇ 大谷の活躍に、ベッツの存在は欠かせなかった。最強の1、2番コンビを組み、攻撃の起点となった。左肩を負傷していた大谷の直後で勝負強さを発揮し、この日は8回1死満塁から決勝の中犠飛をマーク。「三振しないように心がけた。フレディ(次打者のフリーマン)と少し話をして『自分を信じろ』って言われた」と明かした。得点を見届け、渾身(こんしん)のガッツポーズ。18年にレッドソックス、20年にド軍で経験した世界一に続き、3度目の歓喜を味わった。 言葉として発さなくとも、ベッツは大谷の理解者だった。最も近くでプレーしていた選手の1人だっただけに、感じることもあった。「ホームラン記録を破ったり、40本、50本打てるのは分かっていた。彼は彼らしく、自分のできることをやっている。それは難しいこと。時に周りに惑わされて、自分のやるべきことを見失うこともあるから」。むしろ、揺るぎない信念にリスペクトを示していた。 打順変更にも柔軟に対応した。ベッツは1番打者を好み、20年から移籍したドジャースでその地位を確立。今季も開幕から不動のトップバッターだった。だが、左手の骨折から8月中旬に戻ってきた際、代わりに1番打者で機能していた大谷を固定し、2番で起用されることになった。 復帰直前、ロバーツ監督から電話を受け、フィールド上でも対話を重ねた。懸命な練習を続けていた遊撃から本職の右翼へ戻されても「何がチームにとってベストなのか。何でもいい。ワールドシリーズで勝ちたい」と受け入れた。MVPトリオの一角として、それぞれが助け合い、ともに目指し続けた世界一。「クラブハウスは愛にあふれていたし、みんな全力を尽くした。みんなのことを誇りに思うし、ハッピーだ」と、特別な瞬間を目いっぱい喜んだ。【斎藤庸裕】