（写真：熊本日日新聞）

　熊本県が八代地域に整備する新たな県営工業団地の場所を、九州自動車道八代インターチェンジ（IC）北東側の八代市岡町周辺に決めたことが9日、分かった。敷地面積は約25ヘクタール。県北地域を中心に集積する半導体関連産業の経済効果を、県南に波及させる狙い。11日に県と八代市で覚書を交わす。 TSMC関連ニュース

　予定地は産業機械メーカー「櫻井精技」の南側一帯で、八代ICまで約4キロ。国道3号に近く、物流拠点の八代港まで約15キロという交通アクセスの良さなどを考慮したとみられる。 　県南地域での県営工業団地整備は、昨年12月に蒲島郁夫前知事が表明した。その後、八代市が独自に進めていた計画と一本化。整備地について県は、9月県議会で八代市内の「内陸部」と説明していた。2028年度の分譲開始を目指し、基本設計や地元への事業説明に入る。進出を希望する企業とは造成前から仮契約を結ぶ方針。 　県内では台湾積体電路製造（TSMC）の菊陽町進出を機に関連企業の進出が相次ぎ、工業用地の不足が課題となっている。 　県は、八代地域のほか、菊池市で24年度中に24ヘクタールの造成に着手。菊陽町は9月、TSMC第1工場の南側で新たな工業団地の整備に向けた調査開始を表明した。 　いずれも、県が誘致を目指すTSMC第3工場をはじめ半導体関連企業、先端技術の製造・研究開発拠点が集積する「サイエンスパーク」などを意識しているとみられる。

（樋口琢郎、嶋田昇平、小山智史、河内正一郎）