計量クリアの井上尚弥「リカバリーをどうしていくかが明日の大きな差になってくる」
4団体王座統一戦でマーロン・タパレスと対戦
プロボクシングの4団体王座統一戦「WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦」(12月26日、東京・有明アリーナ)の前日計量が12月25日、横浜市内のホテルで行われた。 WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)は55.2kg、WBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)は55.0kgでともに規定体重をクリアした。 井上は試合後の取材でコンディションについては「ばっちりです」。スーパーバンタム級での試合は今回が2回目なのだが「フィット感はかなりあると思う。前回、スーパーバンタム級の体を作る過程で“こうしたらいいかな、ああしたらいいかな”というのはすごく見えたというのは実際に試合後に話していること。そこはもっとプラスに、よく仕上げることができた」と語った。 試合に向けての高揚感などは「試合前日なので、内に秘めたものはあります」と静かに闘志を燃やす。 計量後に行われたフォトセッションでのフェイスオフはやや短め。井上から握手を求めて終わりにしたのだが「フェイスオフを長くやっても仕方がない。しっかりとタパレスの表情は見られたので。昨日よりも一段と絞ったなという感じはあった。減量は楽ではないのかなという感じには見えましたけど、しっかりアンダーで仕上げてきたので、ここからのリカバリーをお互いどうしていくかが明日の大きな差になってくると思う」と明日までの過ごし方を勝負のポイントに挙げた。井上自身は「前回が60.1kg。今回もそれくらいでリングに上がろうかなと思っています」と語った。
井上は昨年12月にポール・バトラーを破りWBA・WBC・IBF・WBO 世界バンタム級王座統一に成功し、アジア人初の四団体統一王者となるも、今年1月にこの4つの王座の返上とスーパー・バンタム級転向を発表。そして7月25日にWBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者のスティーブン・フルトンに挑戦し、8回1分14秒でTKO勝ちを収め、4階級制覇を達成した。 タパレスは2016年にWBO世界バンタム級王座を獲得。そして今年4月にはWBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級統一王者のムロジョン・アフマダリエフを判定で破り、2階級制覇を達成すると同時に。2本のベルトを獲得した。 井上がフルトン戦後のリング上で行われたインタビューで「自分が思う最強のフルトンを8Rで倒すことができたので、このスーパーバンタム級最強といえるんじゃないかと思います。ただ、今僕が持っているベルトは2本です。今日この会場に、タパレスが見にきているということで、次戦、スーパーバンタム級で4団体統一したいと思います」と試合を観戦していたタパレスに統一戦をアピール。タパレスもリングに上がると「自分自身がチャンピオンということを証明したいので、井上選手と戦いたい」と受諾。10月にこの対戦が正式に決定した。