【備え】海外からの観光客への対応も想定 5つ星ホテルも入る「福岡大名ガーデンシティ」で「帰宅困難者」受け入れは 震度6強の地震が起きたら 福岡
FBS福岡放送
大規模な地震で、多くの人が自宅に帰れなくなったら。そうした想定の訓練が5日、「福岡大名ガーデンシティ」で行われました。福岡市の再開発促進事業「天神ビッグバン」を利用して開業した施設としては初めての取り組みです。
■参加者 「足元に気をつけて、広場に避難お願いします。」 福岡市中央区の「福岡大名ガーデンシティ」では、5日午前、震度6強の地震を想定した防災訓練が行われ、施設の従業員など、およそ120人が参加しました。 「福岡大名ガーデンシティ」は、福岡市の再開発促進事業「天神ビッグバン」を利用して建てられた複合施設で、2023年に開業したばかりです。 大規模な災害が発生した場合、自宅に帰ることが難しくなった「帰宅困難者」を受け入れる施設として、福岡市の指定を受けています。
■東まどか記者 「こちらでは帰宅困難者の受け付けが行われます。同意書には名前のほか、ケガの有無や特技・技能などを尋ねる欄があり、特に注意が必要な人や協力できる人を認識することができます。」 世界的に知られる5つ星ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」が施設内にあることなどから、海外からの観光客への対応も想定されるため、同意書には、英語・中国・韓国語の語学能力について尋ねる項目もあります。 訓練では、施設の従業員が消防の指導を受けながら、避難してきた人の誘導方法やケガ人がいた場合の対処について、確認していました。
「福岡大名ガーデンシティ」では、300人が3日間過ごせる量の食べ物や水を備えているほか、簡易トイレなども用意しているということです。 ■施設を担当する積水ハウス・水谷洋介さん 「広く地域に愛される場所でありたいので、そういった意識を持ちながら防災に取り組んでいきたいと思っています。」
福岡市によりますと、警固断層を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生した場合、天神地区と博多駅周辺の帰宅困難者は、最大3万8000人に上ると推計されています。 これに対して福岡市では現状、「福岡大名ガーデンシティ」を含む37施設と協定を結んでいて、3万2000人の帰宅困難者を受け入れることが可能だということです。
大規模な地震が発生し、帰宅が難しくなった場合はどうすればいいのか、福岡市の地域防災課に聞きました。 まずは「むやみに移動を開始しない」ことです。災害が発生した直後は、建物の倒壊や落下物などでケガをする恐れがあるほか、交通機関がストップした場合は駅周辺の混雑なども予想されます。 緊急車両が通行できず、救助活動の妨げになる恐れもありますので、近くにある公園や広場など、安全が確保できる場所に避難してください。 訓練が行われた「福岡大名ガーデンシティ」など、帰宅困難者を受け入れる施設もありますが、施設そのものが被害を受けている恐れもあるため、自治体からの情報を確認して移動するようにしてください。