インデックスファンドを投資収益で2倍の運用成績も、国内株をリードする「トヨタ」「半導体」「銀行株」
日経平均株価が34年ぶりに高値を更新し、国内株式ファンドへの注目が高まっている。ただ、日経平均株価は、2月22日に史上最高値を更新した後、3月22日に4万888円の高値を付けた後はやや下落して3万8000円台で一進一退となっている。国内株式市場は、この10年あまりは徐々に下値を切り上げる動きだったが、2023年から上昇に勢いがついた。ただし、その上昇過程にあって全ての銘柄が等しく上昇したわけではない。過去3年間を振り返ると、「トヨタ」「半導体」「銀行株」が目立って大きく値上がりしている。引き続き、国内株式市場には強気の見方が多いが、その中にあっても、銘柄の選択によってパフォーマンスに大きな違いが出ることに留意したい。国内株式への関心の高まりに伴って、「日経225」や「TOPIX(東証株価指数)」に連動するインデックスファンドの人気が高まっているが、業種別インデックスやアクティブファンドも合わせて検討したい。
国内株式を対象とした投資信託で2024年4月末時点の1年トータルリターンのランキング(レバレッジ型、通貨選択型を除く)は、トップが「GX 半導体関連-日本株」で年率92.11%、次いで、「トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」の72.40%、「(NEXT FUNDS)銀行上場投信」の68.18%になっている。過去1年間の「日経平均株価」は33.09%、「TOPIX」は33.33%だったことと比較すると、これらパフォーマンス上位のファンドがインデックスに対して2倍程度のパフォーマンスをあげていることがわかる。
「日経平均株価」や「TOPIX」といった国を代表するような株価指数は、市場全体の値動きを代表するように作られているため、業種を分散し、幅広い銘柄に分散投資するようになっている。「日経平均株価」であれば225銘柄であり、「TOPIX」になると2000銘柄以上に分散投資している。当然、数百銘柄以上に投資すれば、業績の悪い会社、企業成長が行き詰っている会社も含まれることになる。業績が悪い会社の株価は上昇しにくいものだが、市場全体の値動きを表すためには、そのような株価が下落する銘柄があることもまた、事実として必要になってくる。ところが、投資家としては、わざわざ市場のマイナスにまで付き合う必要はない。できれば、株価が上がると見通せる銘柄だけに投資したいと考えるだろう。そうして、絞り込んだ銘柄群に投資するファンドが、株価指数を大きく超えるパフォーマンスを生み出す結果になっている。