金正恩委員長「最強硬対米戦略」…「突撃隊長」朴泰成氏を首相に
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が年末の労働党全員会議で、米国に向けて「最強硬対応戦略」を宣言しながらも、具体的な内容は明らかにしなかった。その代わり対ロシア業務に関与する最側近グループを前面に配置する人事を通じて、ロシアとの密着をトランプ政権2期目に対する交渉力向上手段として活用する意図を表した。 労働新聞は29日、労働党全員会議拡大会議(第8期第11次)が金正恩委員長の主管で23日から27日まで開催されたと伝えた。金正恩委員長は演説で「米国は反共を変わらない国是としている最も反動的な国家的実体」と評価した。そして「国益と安全保障のために強く実施していく最強硬対米対応戦略」を明らかにしたと、同紙は伝えた。 金正恩委員長はその一方で「最強硬戦略」が何であるかは明らかにしなかった。核の脅威にも言及せず、トランプ次期米大統領の名前にも触れなかった。トランプ氏を刺激しない一方、交渉局面が開かれても簡単には譲歩しないという複雑な内心が反映されたとみられる。 同時に金正恩委員長は事実上の「トランプ対応チーム」も設けた。まず対米の指令塔であり金正恩委員長の対ロシア特使のように活動中の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相と北朝鮮軍のロシア派兵などに関与した李永吉(イ・ヨンギル)人民軍総参謀長を党中央委員会の政治局員とした。経済分野を総括する首相には金正恩執権初期に党組織指導部副部長の資格で金正恩委員長に近接随行した朴泰成(パク・テソン)氏(69)が任命された。猪突的な「突撃隊長」タイプとして知られるた朴泰成氏は昨年9月の朝ロ首脳会談にも同席した。内閣副首相には国防省の金正官(キム・ジョングァン)第1副長官が任命された。金正恩委員長はこのように米国・ロシアを意識した人事をしながらも韓国に対するメッセージはなく、「二つの国家論」を固着化する意図を表した。