大阪・企業の9割「価格転嫁は無理」 ── 電気料金再値上げ影響調査で判明
関電管内以外への全面移転も視野に
大阪商工会議所ではアンケート調査時、企業の生の声にも耳を傾けている。ある機械メーカーは「このまま電気料金が高止まりするなら、関電管内以外への全面移転を検討せざるを得ない」と危機感を隠さない。 別の製造業では「2年ほど前から移転先を探しているが、再値上げが決まると、関電管内以外への移転が現実味を帯びてくる」と緊張感が高まる。原料加工メーカーからは「受注に追われて忙しいが、電気料金の再値上げ分が利益を食ってしまい、今春の賃上げがむずかしいかもしれない」と、賃上げへの影響を懸念する声が聞こえてくる。 再値上げで苦しくなるのは製造業ばかりではない。ビルのテナントとして店舗展開している外食・サービス業では、ビル会社が電気設備を一括管理しているケースが多い。電力購入先の変更や節電型照明への切り替えなどが、テナントの独自判断ではできず、節電対策が限られている。 円安による輸入材の値上げ、消費税の増税、人件費上昇に、電力料金の再値上げ。大阪・関西の中小企業には、逆風に耐える試練の局面が続きそうだ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)