予選突破がほぼ確実の日本代表 目標である「W杯優勝」を狙うには右ウイングバックの人選を再考すべき
アジア予選とは別物
中国に3-1で勝利し、アジア最終予選突破をほぼ手中に収めた日本代表。FIFAワールドカップ2026の本戦まで残り2年を切っている中、森保一監督が掲げる「優勝」を実現するためには、右WBのファーストチョイスを再考すべきだ。 [動画]伊東のクロスのクオリティの高さ WBのスタメン争いは一歩リードか 堂安律を起用したオーストラリア戦とインドネシア戦では、交代選手が入るまで右サイドの攻撃は沈黙していた。今節の中国戦でも[3-4-2-1]システムで臨んだが、右WBの先発を堂安律ではなくスピードのある伊東純也に切り替えた日本。これが功を奏して大外に張らせることで相手のバックをピン刺しの状態にできたことにより、中央に久保建英などが侵入するスペースを作れた。また、サイドの選手がハーフスペースに飛び込める余裕も生まれたため、苦労した印象の前半で数少ない攻撃の糸口を見つけていた。 また、守備面でも伊東のスプリントが必要になる場面があった。ネガティブトランジションの際、[3-4-2-1]のシステムではウイングバックの背後が空きやすくなるため、強豪国のアタッカーについていくには上下動の速さが必要になってくる。対人守備の強度は堂安でも問題無いが、強度の高い試合になればなるほど背後のスペースを埋めるスピードは大事な要素になっている。 今の日本代表は個々のキャラクターに依存気味の戦術で戦っているため伸び代もあるのだが、早い段階でベストの人選を見つけ、プラスアルファで選手層を厚くしていく作業に取り掛かるべきだと考える。菅原由勢や橋岡大樹のような本来サイドバックの選手をもっと試すことも本戦に向けてバリエーションを増やしていく上で重要になっていくだろう。ここ3試合の内容では、いつもの「良くてベスト16」の成績を打破できずに終わってしまうのではないかと焦燥感に駆られてしまう。世界を視野に入れた戦いを想定し、本大会で優勝するとなれば最低でもアジアでは結果だけでなく、内容でも圧倒しなければならないだろう。
構成/ザ・ワールド編集部