災害時の車中泊…注意すべき点は?お父さんの車の趣味が“ノアの箱舟”に大変身!?
――イベントで伝えたかった重要なポイントは? 「一番は“クルマで避難する”のではなく、“避難生活でクルマを活用する”ということです。避難生活で車中泊をしなくてはいけない状況とは、どんな時なのか? 心身ともにストレスの少ない車中泊を続けるにはどうすればいいのか? ただ寝られればいい、雨露がしのげればいいというわけではなく、“命を守ることが重要”。そんなことをお伝えしようと講義しました。 『カーネル』では車中泊の楽しみ方を提案していて、実は災害時にクルマで避難するということは推奨していないのですが、都心で地震などが起きた場合、どれだけの数の避難所があって、何人収容できるのかといえば、まったく足りていないのが現状です。 実際問題として車中泊を選ばざるを得ない方が大勢いるのであれば、クルマで寝るための正しい技術と知識をお伝えしましょう、というのがイベントの趣旨でした。 “クルマで避難行動を行う”ことに関しては、国や各自治体からガイドラインが出されています。まずは安全第一で、それらを参考にしていただきつつ、いざ避難生活をする際にクルマを活用してくださいということです」 ――“避難生活でクルマを活用する”際に、注意すべき点はどこでしょう。 「体が疲弊することはもちろんですが、心にかかる負担がレジャーでの車中泊とは大きく異なります。災害時の車中泊では、先の見通しがつかないことが大きなストレスになるからです。 加えて、狭いシートに座ったまま、長時間同じ体勢で過ごすと足の血液に血栓ができ、エコノミークラス症候群を発症する危険性もある。 熊本地震では、エコノミークラス症候群を発症する人が続出して、亡くなった方も1名いましたが、そうしたことが起きないよう車中泊の技術と知識を身に着けていただきたいです」 ――エコノミークラス症候群の予防法は? 「できるだけ足を上げて心臓と同じ高さにして寝ること。就寝時の体勢をまめに変更すること。適度な運動や足のマッサージ、定期的な足の曲げ伸ばし。災害時なので貴重なものではありますが、なるべく水分補給をすることも大切です」