星稜の申し子、4番・若狭が「まさかの」2ランで8強 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第8日の27日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、星稜(石川)が大垣日大(岐阜)を6―2で破り、4年ぶりの8強入りを果たした。星稜は4番・若狭遼之助(3年)が貴重な2点本塁打を放ち、勝利に貢献した。 【マーガード熱投! 星稜vs大垣日大】 青空高く上がった打球が左翼席に飛び込んだ。初戦無安打だった星稜の4番・若狭の甲子園初安打は2点本塁打。「まさか自分がホームランを打てると思っていなかった」と驚くが、思いもよらないことが起こるのが、実に星稜らしい。 1点リードの三回2死二塁。大垣日大の左腕・五島が投じた真ん中のスライダーをしっかり呼び込んで捉えた。4打数無安打に終わった1回戦後、上体が前に突っ込んでいることに気づいた。練習で緩いボールを投げてもらい、下半身で「間」を作ることを意識。イメージ通りの打撃だった。 例年のチームは星稜中出身が多いが、今年はベンチ入り18人中11人が石川県外の出身。林監督は「ここ最近、『星稜で野球をやりたい』と言ってくれる生徒が多くなった」として人数を絞って県外生を受け入れている。埼玉県出身の若狭は「中学3年の時の夏の甲子園を見て心に残った」と奥川恭伸(現ヤクルト)を擁して準優勝した19年夏のチームに憧れて進学した。18年夏には延長十三回に逆転サヨナラ満塁本塁打を浴びるなど「負けても名を残す」星稜だが、その戦いぶりは中学生の心をつかんでいるようだ。 若狭にとって野球人生で最も印象に残る出来事は、小学6年時に最終回2死走者なしから7点差を逆転負けした試合だった。負けて記憶に残る、まさに星稜の申し子のような選手だが「今日で思い出は更新されました」と笑う。 復調した主軸とともに、チームが目指すのは春最高成績の8強の更新だ。【安田光高】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。