税収減に「強い危機感」 年収の壁の引き上げ、指定都市市長会が表明
議論が本格化している「103万円の壁」の引き上げをめぐり、全国20の政令指定都市で構成する「指定都市市長会」は18日、「税収への影響は甚大で、行政サービスの提供に支障をきたす」とする意見をまとめた。東京都内で開いた会議で、各市長は危機感をあらわにした。 【写真】「103万円の壁」の見直しに対する意見をまとめた指定都市市長会議=2024年11月18日午後2時40分、東京都千代田区、石平道典撮影 103万円の年収の壁は急きょ議題に追加され、理由について神谷俊一・千葉市長が冒頭、「住民サービスの確保に極めて深刻な影響が生じる。会議として意見表明すべきだ」と語った。 所得税がかかる103万円の年収の最低ラインを178万円にした場合、政府は地方税も最大4兆円の減収になると試算している。会議で取りまとめた意見では「全国の人口の約2割を占める指定都市では約8千億円の減収が見込まれ、強い危機感を持っている」と強調。見直しにあたっては「代替となる財源を確保し、地方税財源に影響を及ぼすことのないよう強く求める」とした。 会長を務める久元喜造・神戸市長は記者会見で、「見直しには意義がある」としながらも、「税だけでなく社会保険料の問題もある。国民の義務的負担の公平なあり方を十分議論してほしい」と語った。(石平道典)
朝日新聞社