FRBが信るもう一つのインフレ指標、追加利下げのハードル下げる
市場ベースのPCE価格指数はいくつかの項目を除外している。これらの項目は実際に消費者が支払う価格を観察できないため、政府の統計担当者は推計値を採用、もしくは経済用語でいう「帰属」で代入する。
除外される主な項目には、ポートフォリオ管理や投資助言が含まれる。いずれも株価との連動性が高く、ここ数カ月の株価上昇がインフレを押し上げたことを意味する。除外項目には一部の保険も含まれる。
パウエル議長は12月18日の記者会見で最近のインフレ上振れについて説明し、こうした「非市場サービス」を要因に挙げた。クーグラー理事も1月3日、CNBCとのインタビューで同様の見解を示している。
ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏によると、帰属価格を除外するのはそれがインフレの行方を示唆する「先を見据えた予測シグナルとはいえない」からだ。
例えば自動車その他輸送保険のコストを捕捉するカテゴリーでは、価格が11月に前年同月比で6.5%上昇した。2021年と22年初期の自動車価格高騰による遅行インフレが一部反映された。
「消費者にとってこのインフレは現実のものだが、FRBの観点ではそのまま受け止めるものではない」とウォン氏は述べた。
経済分析局は31日に12月のPCE統計を発表する。
原題:Fed Finds New Reason for Confidence in Obscure Inflation Gauge(抜粋)
(c)2025 Bloomberg L.P.
Matthew Boesler