復活の響きよ届け 珠洲・太鼓と踊りの夕べ
●犠牲者悼み演奏 珠洲まつり「太鼓と踊りの夕べ」(北國新聞社後援)は14日、珠洲市営野球場で開かれ、能登半島地震からの復興を願う勇壮なばちさばきが繰り広げられた。震災の傷跡が残る地域は熱狂に包まれ、訪れた大勢の人がふるさと再興への決意を新たにした。 同市蛸島町の住民グループ「とくさ会」を母体とする実行委員会が旧盆に合わせて開催し、今年で24回目を迎えた。今回は地震の犠牲者追悼を柱に据え、太鼓演奏を中心とした。 奈良県の太鼓団体「倭(やまと)―YAMATO」と輪島市の「輪島・和太鼓 虎之介」などの22人が大小さまざまな太鼓を豪快に打ち鳴らした。石川県内を拠点とする「和太鼓 菊理(くくり)」の3人は一糸乱れぬばちさばきを示し、羽黒神社(珠洲市)の髙山哲典宮司は龍笛(りゅうてき)を優雅に奏でた。 同市蛸島小の児童22人はキリコ太鼓と山王太鼓を響かせた。演奏に用いた2台の太鼓は地震の衝撃で革が破れたり、劣化したりして使えない状態だったが、日本太鼓財団(東京)が修理した。 会場には蛸島町の有志がコップとビー玉で作ったキャンドル約150個が配置され、幻想的な雰囲気を演出した。開会式では米谷賛三実行委員長、珠洲まつり特別委員会の刀祢秀一委員長(珠洲商工会議所会頭)があいさつし、泉谷満寿裕市長が祝辞を述べた。