【高校野球】飛龍が豪華指導陣で脱“善戦軍団”…全国高校野球選手権静岡県大会7月6日初戦~話題校紹介
豪華スタッフ陣の指導で飛龍が“善戦軍団”から脱却する。昨年就任した山田忠監督(62)と三島元輝部長(32)の2人に、今年4月から栗田都弘副部長(29)が加わった。2000年夏に母校・浜松商を甲子園に導いた山田監督と、強豪・常葉菊川(現常葉大菊川)出身の若手指導者コンビのサポートを受けて急成長中の選手たちが、1956年創部以来、初の甲子園出場を目指す。 苦しい時期も 飛龍に心強い指導者が加わった。4月から栗田副部長がスタッフとして部の運営をサポートしている。常葉菊川高OBで三島部長の2つ後輩にあたり、自身の甲子園出場経験はないが、“強豪校イズム”を持ち合わせる頼もしい存在だ。チームに帯同してまだ2か月ほどと慣れない日々だが、ノックなどに汗を流す。「年は(選手と)一番近いので、スタッフと選手のパイプ役をやっていきたい」と、貴重な潤滑油になっている。 豪華な首脳陣が選手をサポートする。山田監督は2000年夏に浜松商を甲子園に導き、自身も現役時代の1978年にはセンバツVを経験。三島部長は1年夏に、2008年の全国準Vをスタンドで観戦するなど菊川の黄金期を知る一人。高校卒業後は玉川大に通いながら母校で指導者の勉強をした。山田監督も「甲子園を狙えるスタッフがそろった」と、胸を張った。 数年前は、不祥事が続いた。指導者の暴力行為などが発覚し、野球部のあり方が問われた。現2年生は、部員3人。入部を“敬遠”される非常事態にも直面した。そんな中、昨年に山田監督&三島部長を招いて再出発を図った。「子どもたちは大人の姿を見ている。僕たちの言動から変えないといけない」と、三島部長。グラウンドでも、寮でも生徒の見本になるように首脳陣が意識している。 確実に、選手には変化が芽生えている。ただ一人、1年春からベンチ入りし、ゲームキャプテンを務める宮崎鈴己遊撃手(3年)は「技術的なこともしっかり教えてくれる。自主練習の時間も増えて各自が向き合いながらやれている」と、歓迎。昨秋は県ベスト8に進出し、今春は県16強で夏のシード権をつかんだ。新入生は19人入部するなど一時期の悪いムードは一変した。 過去、夏は準優勝1回、4強5回、8強6回と善戦しながら春夏通じて甲子園出場は一度もない。「甲子園は目指さないと、行けないところ」と、指揮官。戦う以上、優勝を目指すのが名門のメンタリティー。勝負の厳しさを知る3人のスタッフに支えられる選手たちが、「善戦軍団」を返上して頂点に駆け上がる。(塩沢 武士)
報知新聞社