中国のシャオミがEVハイパーカー市場に参戦! 0-100km/h加速2秒切りの怪物スペック!!
プロトタイプの最高出力は1548馬力!
そして、まず今回のUltraプロトタイプは、さらに後輪側にモーターを追加してトライモーターシステムを構成しながら、その搭載モーターは、前輪側に現在Maxグレードの後輪側に搭載している275kWものV6sと名付けられたモーターを搭載しながら、さらに後輪側には、最新のV8sと名付けられた、最高回転数が毎分2万7200回、最高出力425kW、最大トルク635Nmを発揮可能という、量産モーター最強クラスをふたつも搭載しています。 このモーターの性能は、たとえば現在すでにSU7 Maxに搭載済みのV6sの場合、最高回転数、最高出力、最大トルク、そしてエネルギー密度というすべての項目において、テスラ・モデルS Plaidに搭載されているハイパワーモーターを上まわっており、その上で今回のUltraプロトタイプで初搭載されるV8sは、もちろんあらゆる指標で量産モーター最高レベルのスペックを実現。 エネルギー密度に関しても、モデルS Plaidの6.22kW/kgと比較しても、はるかに上まわる効率性を実現するなど、搭載モーターだけでもポテンシャルの高さが見て取れます。 よって、Ultraプロトタイプは最高出力が1548馬力に到達。たとえばモデルS Plaidが1020馬力であることを踏まえると、まさに化け物級の動力性能です。ゼロヒャク加速も、ロールアウトを含めて1.97秒を実現。最高速度も350km/hオーバーと、モデルSのワンフットロールアウト2.1秒、最高速度も322km/hを上まわります。 さらに、ハイパーカー達と比較してみても、ブガッティシロンが1500馬力であることからも、その異次元の動力性能が見て取れます。 そして、その異次元のゼロヒャク加速を支えるのが、ダウンフォースの最適化という観点です。大型リヤスポイラーをはじめとしてダウンフォースを最大化することによって、2145kgものダウンフォースを生み出すことに成功。コーナリング時や超高速走行などにおける安定性に寄与します。 その上、今回のUltraプロトタイプにおいて注目するべきは、その軽量化に対するコミットという観点です。具体的には、その車両重量は1900kgと、バッテリーEVとしては驚異的な軽量化を実現。ボディに対してカーボン素材を多用することで、500kgもの軽量化を実現し、実際にモデルS Plaidやポルシェ・タイカンターボGTよりも軽量化することで、車両重量よりもダウンフォースの方が勝るというレベルにまで到達しています。 よって、制動能力についても、最大減速Gは2.36Gに到達し、時速100kmからの制動距離も25mと、強力なストッピングパワーも実現しています。 また、バッテリーEVのコアテクであるバッテリーについて、現在SU7 Maxに搭載されているQilinバッテリーの最新バージョン、Qilin 2.0を初搭載しています。バッテリー容量などの詳細は不明ながら、総電圧は897Vと、量産バッテリーとしては最高電圧に到達しながら、最大放電出力も1330kWと、搭載モーターのパワーを最大限発揮可能です。 SOC20%状態における最大放電出力も800kWと、SOC20%の段階でモデルS Plaid級の加速性能を実現できるとイメージしてみると、バッテリーEVの弱点もカバーされているように見えます。また、充電性能もCレートで5.2Cを実現しており、急速充電性能も地球上最速クラスに到達しています。 さらに、バッテリーEVのサーキット走行において極めて重要となる冷却性能について、とくにV8sモーターについては冷却性能に特化しており、放熱効率が50%アップ、最大30度もの温度低下を実現しています。 いずれにしても、EVのサーキット走行における最大の課題である冷却性能について、バッテリー、モーター、もちろん車重を含めたブレーキングがどの程度を実現しているのかは、10月中に開催されるニュルのテスト走行の結果に注目です。 そしてシャオミは、このSU7 Ultraの市販車バージョンを2025年前半に発売スタートする方針を表明しました。具体的には、通常バージョンとトラックバージョンのふたつのグレード展開を予定。残念ながらコストの関係で、カーボン素材の全面採用は見送られるものの、Qilinバッテリー2.0、V8sを含めたトライモーターセットアップ、およびシャシーについてはすべてUltraプロトタイプを踏襲するとも発表されています。 果たして、SU7 UltraプロトタイプがEV最速の称号を獲得することができるのか。そして量産バージョンとなるSU7 Ultraがどれほどのスペックを実現して、ガチンコの競合となるテスラ・モデルS PlaidやポルシェタイカンターボGT、さらには中国国内最強のZeekr 001 FRなどに、動力性能やサーキット走行性能でどれほどの実力を発揮できるのか。 さらには2025年中に発表される予定である、SU7に続く2車種目のSUVモデルの最新動向についても、最新情報がわかり次第情報をアップデートしていきたいと思います。
高橋 優