育休から職場復帰したワーママの本音「余裕がなくボロボロ。私には両立できない」
家族の協力も職場の理解もあったけれど、周りに気をつかってしまう
――理解のある職場だったけれど、1年で退職したのはなぜですか? 私自身の問題だと思います。どうしても周りに気をつかってしまうんですよね。時短勤務である私の仕事分は誰かがカバーしなければいけないし、申し訳なく感じました。当時はコロナ禍で保育園が休みになってしまって、まるまる一週間お休みをもらうこともありました。 ――会社の理解はあったけれど、ご自身が心苦しく思われていたのですね。 そうですね。職場復帰してからもっと働きたいという気持ちと、子どもとの時間をもっと取りたいという気持ちの間でずっとモヤモヤを抱えていましたね。しだいにそのモヤモヤを家庭に持ち帰ってしまうようになっていったんです。 ――「モヤモヤを家庭に持ち帰ってしまう」とは具体的にどのような状態ですか? 長女は癇癪(かんしゃく)持ちで、感情の切り替えが苦手なこともあり、急に怒ったり、泣いたりすることがあります。本当は優しく寄り添ってあげたいのに、冷たく当たってしまったり、きつく怒ってしまったりすることがありました。 後から、罪悪感でさいなまれ「こんなママでごめんね」って泣きながら長女を寝かしつけていました。とにかく自分に余裕がなかった。今振り返ってみてもあの時の自分はボロボロだったと思います。 それが積み重なって、退職を決意したんです。
取材・文/毒島サチコ