1985年に発生した冤罪事件、いわゆる「松橋（まつばせ）事件」で再審無罪になった男性の遺族が国と熊本県に損害賠償を求めている裁判がきょう（13日）結審しました。 【写真を見る】「冤罪を生む問題のすべてが含まれている」再審無罪の松橋事件めぐる訴訟　原告側が違法捜査を主張し結審　判決は来年3月　熊本 松橋事件は1985年、当時の熊本県松橋町で男性が殺害され宮田浩喜（みやた こうき）さんが殺人の罪に問われ、懲役13年の刑が確定して服役したものです。 宮田さんは2019年、再審・裁判のやり直しで無罪となり2020年に亡くなりました。 裁判で宮田さんの遺族は検察や警察が違法な捜査をしたと訴え、国と県に約8500万円の損害賠償を求めています。 遺族側は宮田さんが「凶器の小刀の柄に巻き、犯行後に燃やした」と自白していたシャツ片が起訴後に見つかったにもかかわらず、検察が裁判所に提出しなかったことなどが違法捜査のポイントだと主張しています。 一方、国と県は捜査に違法性はなかったとして棄却を求めています。 きょう（13日）、遺族側の弁護団の齊藤誠（さいとう まこと）弁護士が法廷で、「証拠隠しなど松橋事件にはえん罪を生む問題の全てが含まれている」と意見陳述し、裁判は結審しました。 判決は来年3月14日に言い渡される予定です。