レアル・マドリー戦でMVP級の活躍も敗戦。久保「我われは勝つに値した」
ファウルになったせいで久保のゴールが取り消されたわけだが、久保個人としては完璧なゴールだった。利き足の左足で蹴ると見せかけて、DFとGKを寄せさせてから、右足でニアポストに軽くしかし強烈に蹴り込んだ。
ソシエダのレベルはパリ・サンジェルマンに敗退した頃に比べて明らかに上がっている。
久保のドリブル、センタリング、シュートのキレ、フィジカルコンディションは再び上がってきた。チームが敗れたからMVPには選ばれなかったが、「最も活躍した選手」という本来の意味なら、私のMVPは久保だ。
以前のコラムで紹介した台頭したベッカーは相変わらず良く、久保、バレネチェアと競い合えるレベルにある。トゥリエンテスも今季最高、と言えるほど良かった。今ならケガをしていたブライス、波があるザカリアンよりも上ではないか?
無得点だからCFオヤルサバルが責められがちだが、ハイレベルのCB陣相手でもきちんと枠にシュートを飛ばしていた。オドリオソラも不在のトラオレの穴を埋めて余りあった。スピードがありタッチが正確で、久保とのショートパスのやり取りでの突破には迫力があった。守備力ではトラオレが上だが、小技があるオドリオソラとの方が久保はコンビをやり易そうだし、見ている方も楽しい。
ソシエダはバルセロナ、バレンシア、ベティス、アトレティコ・マドリーとの対戦を残しておりカレンダーは厳しいが、最後まで欧州カップ戦出場権を争える戦力が整ってきたとみる。これら4チームとの試合はいずれもシーズンを締めくくるに相応しい見どころたっぷりのもの、となるはずだ。
文:木村浩嗣
木村浩嗣