EUの厳しいステーブルコイン規則が発効──発行者は対応できるのか
サークルとテザー社の努力
つまりテザー、サークルなどのステーブルコイン発行者は、合法的に運営するための電子マネーライセンスを確保しなければならない。 4月にフランス金融市場局にデジタル資産サービスプロバイダーとして条件付きで登録したサークルは、期限までに電子マネーライセンスを取得することを目指していると、同社の広報担当者は述べ、次のように続けた。 「サークルはEUのMiCA規制を完全に遵守することに全力を注いでいる。EUにEURCをオンショアし、MiCAに準拠した方法でサークル・フランスから発行する予定である。さらに、MiCAに従い、規制当局の承認を得た上で、同じ事業体からEUに居住する顧客向けにUSDCを発行することも目指している」 EURCはサークルが手がけるユーロ建てステーブルコインで。テザー社の手がけるユーロ建てステーブルコインはEURT。暗号資産取引所ビットスタンプ(Bitstamp)は先日、MiCAを理由にテザートークンの上場を廃止した。オーケーエックス(OKX)は3月、同地域のユーロ建て流動性に集中したいとして、同じくUSDTの上場を廃止した。 「テザー社は、USDTやその他のテザートークンの継続的な上場に関連する要件や、主要な規制条項の解釈を含め、欧州の取引所カウンターパーティと広範囲に関わってきた。テザー社はMiCAの実施について楽観的だが、施行されるステーブルコインの規制政策がバランスの取れたものであり、消費者を保護し、新興業界の成長を育むものであることが極めて重要であることに変わりはない」と、テザー社のCEOであるパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)氏は声明で述べた。 業界がどのように進むかは、欧州委員会と、新たに選出された欧州議会によって選ばれる次期委員次第だ。 「問題は次に何が起こるか。解決策が必要だという理解が広がっているからだ」と、コピッチ氏はステーブルコイン規制の厳しさに触れた。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:EU's Restrictive Stablecoin Rules Take Effect Soon and Issuers Are Running Out of Time
CoinDesk Japan 編集部