村田諒太は10・22両国でエンダムとの因縁再戦に勝てるのか?
「展開は、前回の試合と変わらないだろう。村田が堅いガードでプレッシャーをかけ、右ストレートを狙う直線的なボクシング。一方、エンダムは、横へ横へと動きながら手数でポイントを稼ぐボクシング。前回、エンダムは村田の右が届く距離の外にいる時間が長く、手数と距離で試合を支配していた。だが、その手数が有効打ではなかったことを指摘され再戦となった。エンダムは、今度はもう少し踏み込んで中へ入ってくるケースが増えるだろう。一方村田も、今度は倒さねばならないという意識が働くため、リスクを犯し強引に攻めるケースが増えて、より激しく打ち合う場面が増えると思う」 エンダムは、4回に村田の右のカウンターを食らってダウン。5回、7回にもロープに吹っ飛んでKO寸前だったが、我慢せずに倒れてしまうことでパンチのダメージを軽減しているのか回復力は早く、その後はリスクを避けて徹底して距離をとり、危険を察知するとクリンチで村田を絡めた。 飯田氏曰く、エンダムのガードには絶妙のテクニックがあり「手首で右ストレートを受け止めていた。ガードでも手首を使うとクッションになってパンチを殺せる」という。 また村田がボディで足を止めようと仕掛けても、距離を詰めて村田が自由に動けないように封じ込めにきた。目に見えない攻防で、村田はその嫌らしさを身に染みて感じ取っていた。 次は、海千山千の手を使って逃げるエンダムを追い詰めなければならない。 村田も、「至近距離でもうまく距離を潰された。その対策はしたい」と言う。 エンダムも手数にプラスして有功打を求められるとすれば必然、打ち合う場面が増えることが予想される。 エンダム自身も会見で、「前回の試合とは違う自分をお見せする。村田は倒しにくるだろうし、僕も倒しにいく。それだけの準備をする。前回と同じ展開にはならない。ただ、私が村田よりまさっているのは、ファイトスタイルだ。前回は物議をかもしたが、あの試合でみつけたミスを正す。さらに強力なスタイルができあがるだろう」と話した。 「打ち合ってくれれば」と村田も出てきてくれることを望み、そうなればKO決着の条件が揃うように思えるが、飯田氏は単純な見方はしていない。 「エンダムは、今度は村田の打ち終わりに、もう少し踏み込んでパンチをまとめてくる。村田が強引に行くことの裏には、打たれるという危険もはらんでいる」 KO決着を狙えば、逆に前回の試合でほとんどもらわなかった被弾の危険度も増すのだ。 しかし、村田もそのリスクは十分に理解している。