上原、田澤もショック! レ軍監督がガン治療で途中休養
米大リーグ・レッドソックスのジョン・ファレル監督(53)が14日、発覚したリンパ腫の治療に専念するため、シーズン途中で休養することになった。同監督は10日に遠征先のデトロイトで鼠径ヘルニアの手術を受けた際に、ステージ1(初期)段階のリンパ腫がみつかった。 14日、本拠地フェンウェイパークで行われたマリナーズ戦の前の会見に姿をみせたファレル監督は、「通常、故障者のアップデートから会見を始めるが、今日は自分のことから入る。リンパ腫が発覚した」と、メディアに切り出した。「聞いた時は確かにショックだったけれど、色々な人々の協力を得て、早期に発見できたのは非常に幸運なことだったと思う。転移はしていないし、高い確率で治癒できると思う」と気丈に語った。すでに10日の手術の際に、がん細胞を摘出しており、現時点では更なる手術は予定されていないという。週明けの17日から、ボストン市内の病院で約9週間予定されている化学療法を開始する。 10日の手術後、一晩で退院して、マイアミへ移動。2試合の指揮を取った間は3人の医師以外には癌発覚の事実は知らされていなかった。「黙っていた間は辛かった」とファレル監督。前日、チェリントンGMら首脳陣に通知し、この日の試合前のチームミーティングで、選手、コーチ陣も知るところとなった。 チームの主力ペドロイアは、「心臓が止まるかと思った」と驚きを隠せなかったが、「きっと克服して元気になる」と早期回復を祈願した。主砲オルティスは「我々皆、彼のために全力で支援する。いつも、彼が我々を助けてくれるようにね」と語るなど、ナインにも衝撃のニュースをそれぞれに受け止めた。右手首骨折で11日に故障者リスト入りした上原も手首をギプスで固定した姿でこの日からチームに合流。外野グラウンドをランニングし、球拾いなどを行ったが、突然の指揮官の戦列離脱に、心中穏やかでいられるはずはない。 大リーグ監督の病気による休養は、1986年にロイヤルズのディック・ハウザー監督がシーズン中に脳腫瘍で休養。翌年に復帰したが、キャンプ中に癌に転移していることが発覚して辞任。その年の6月に帰らぬ人となった悲しい過去があるほか、1996年に健康上の不安を理由に辞任したドジャーズのラソーダ監督が、6月に心臓障害の手術を受けて同年7月に勇退した例などがある。また、選手では、カブスの左腕レスターが、同じくリンパ腫を克服して、07年、13年のレッドソックスのワールドシリーズ優勝の立役者となった。 レッドソックスは、この日まで50勝64敗でアリーグ東地区最下位。ファレル監督は07年には、投手コーチとしてワールドシリーズ優勝に尽力。レ軍に監督として復帰した2013年は就任1年目でワールドシリーズ優勝を果たし、昨年11月に行われた日米野球では全米代表チームの監督として来日。今年の春季キャンプ中に2017年まで契約を更新(18年は球団オプション)していた。残りシーズンは、00年にはヤクルトでプレーしたこともあるロブロベンチコーチが監督に昇格する。