大義なぞ知ったことか! 「ガンダム」シリーズの救いようのない3悪人はコイツらだ!
非道すぎる悪のカリスマな戦争屋
「ガンダム」シリーズでは、スペースコロニーへの毒ガス注入や、いわゆる「コロニー落とし」のような、民間人にも被害が及ぶほどの非道な行為が描かれることもあります。 【おまえのどこがガンダムなのか】こちらが「ガンダム顔」ですらない『00』サーシェスの「アルケーガンダム」です(7枚) そうした民間人を巻き込む行為は決して擁護できるものではなく、これを実行に移した責任者である『機動戦士ガンダム』のジオン公国軍総帥「ギレン・ザビ」や、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の「デラーズ・フリート」を率いた「エギーユ・デラーズ」は非難されてしかるべきです。ただ、彼らふたりには一応、大義名分があったのに対し、そうした志もなにもない、ただただ許しがたいだけの非道な行為をした「極悪人」もいます。 『機動戦士ガンダム00』において、主人公の「刹那・F・セイエイ」らの前に強敵として立ちはだかった、戦争そのものを楽しむ「純粋な悪人」である「アリー・アル・サーシェス」は、「ところがぎっちょん」というセリフでも知られる人物です。 サーシェスは傭兵であり、テロ組織の一員として刹那に戦闘を教え込んだ因縁の相手でもあります。その性格は残忍で、報道機関の記者「絹江・クロスロード」の取材を受けたときには、自らを「戦争屋です。戦争が好きで好きでたまらない(中略)最低最悪の人間ですよ」と評しました。その後、絹江はサーシェスによって命を絶たれてしまいます。 あまりの最悪っぷりに、彼と因縁を持つガンダムマイスター(パイロット)の「ロックオン・ストラトス」から「戦いを生み出す権化」とまでも呼ばれていました。もっともそれほどロックオンがサーシェスを嫌っているのには理由があり、彼が両親と妹を失ったテロの首謀者という、仇のような相手だったからです。似たような境遇の人物を増やさないために、ガンダムマイスターとしても個人としても、「サーシェスは決して許せない相手」というのは無理もありません。 ほかにもサーシェスによる非道な行為は多く、中東の「アザディスタン」なる国で内紛を手引したうえに、「ガンダム」が別の場所に足止めされている隙を狙い同国を火の海にしました。その惨状は定かではありませんが、争いとは無関係な多くの民間人が犠牲となっているのは確かです。 サーシェスの声を担当したのは、国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』の「野原ひろし」役(2016年に病気で降板)などで広く知られる藤原啓治さんでした。焼け野原になったアザディスタンと、藤原さんが演じていた役柄をかけ、サーシェスは「焼け野原ひろし」なる愛称で呼ばれることもありました。その行いとしては絶対的な悪でありながら、正義にはなびかない悪役としての矜持ゆえか、隠れた人気キャラでもあります。