井上尚弥が1Rにプロ初ダウンも3つのダウンを奪い返しネリを粉砕。次戦は9月にグッドマン戦が浮上
井上は試合後のリング上のインタビューで「自分自身、すごいプレッシャーがあったんですが、皆さんの力が僕のパワーになりました。本当にありがとうございました」と集まった大観衆に感謝の言葉。 ダウンを奪われ、奪い返しという序盤の展開については「倒した瞬間はというのはいつになく最高の気持ちですが、皆さん、1R目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか?」と会場のファンにジョーク。1Rにダウンを奪われた後に笑顔を見せたシーンについては「ボクサーということで、そういうシーンというのは自分自身燃え上がるところはあるので、非常にハイテンションで試合をしていました」とのこと。 続けて「そして、ここ東京ドームでルイス・ネリと試合ができたことに感謝します。ありがとうございます」とネリに歩み寄って握手を交わした。 ダウン後にセコンドからかけられた言葉については「覚えてないですよ。必死だったんで。ただ、ダウンした時に落ち着いて対処することができた。普段のイメトレがここで出たと思う」とダウンシーンを振り返った。 東京ドームでメインを務めた気持ちについては「ここに駆け付けてくれた4万人のお客さん、今日は本当に満足する試合だったと思います。またこういう皆さんが期待するような最高の試合をしていきたいと思いますので、今後も期待してください」とアピール。
ネリは2017年にWBC世界バンタム級王者の山中慎介に挑戦し、TKO勝ちも後にドーピングが疑惑が浮上。2018年に行われた再戦の際には大幅な体重超過で王座をはく奪されたものの、試合では山中にTKO勝ちと物議を醸し、JBCはネリに対し無期限の活動停止処分を科した。事実上の永久追放だったのだが、今回の対戦を前に今年の2月にJBCがネリの無期限活動停止処分を解除していた。 このネリに対し、最後は快く握手を交わしたことについて井上は「6年前に日本で因縁があったというのは、自分自身、(山中との)第2戦を会場で観戦していたので、ファンの皆さんの気持ちというのはしっかりと自分の中で受け止めてはいましたが、ここ東京ドームでの戦いというのは井上尚弥vsルイス・ネリということで自分はこの戦いに集中することを心掛けてきました。なので、勝った瞬間というのは、やはりネリに感謝という気持ちで握手を求めに行きました」とその心中を明かした。 IBFとWBAの世界同級1位に君臨するサム・グッドマンがリングインすると井上は「次戦、9月ころ。サム・グッドマンと防衛戦をしていきたい。これから交渉していきたい」とアピール。グッドマンも「自分もベルトが欲しくてここまで戦ってきた。絶対にやりましょう」と返した。 また今大会では国内初の4大世界戦が開催され、「WBO世界バンタム級タイトルマッチ」では世界初挑戦となった武居由樹(大橋)が判定勝ちでプロ9戦目にして世界王座を獲得。「WBA世界バンタム級タイトルマッチ」では井上拓真(大橋)、「WBA世界フライ級タイトルマッチ」ではユーリ阿久井政悟(倉敷守安)がそれぞれ防衛を果たした。