コラボで租税教室 東海税理士会と税務署 三重中3年生に出前授業 三重・松阪
東海税理士会松阪支部(三宅正人支部長、79人)の税理士と税務署職員による「コラボ租税教室」が、三重県松阪市久保町の私立三重中学校(野田佳均校長)でこのほど開かれ、3年生86人が熱心に授業を受けた。 同支部からは池田正樹・池田正樹税理士事務所所長(49)と川上雅敏・税理士法人みのる会計事務所副所長(44)、竹内一馬・竹内一馬税理士事務所所長(43)の3人が参加。税務署側は、津税務署の税務広報広聴官の荻田裕美さん(51)が講師を務めた。 授業は2・3限通しの1時間50分で、最初に荻田さんが登壇し、税の種類や役割について説明した上で、税務署の仕事を紹介。税務署は県内に八つ、全国には524あり、窓口業務と徴収、調査の主に3種類の仕事に分かれ、法律にのっとって徴収する「租税法律主義」に基づいていることや、消費税のように一律の負担を求める「水平的公平」と、所得税や相続税などのように所得の多い人にはそれ相応の負担を求める「垂直的公平」の二つの考え方に基づいて課税していることなどを解説した。 調査部門の中でも〝派手〟な査察調査についても査察先の写真などを見せて説明。脱税しようと天井の照明の中に5千万円の預金通帳が隠してあった例や、地中2メートルにスーツケースに入れて2億9千万円が埋めてあった例を写真で見せ「見当も付けずに掘るのではなく、自白に基づいて掘るケースが多い。捜索の時に怪しい鍵を見つけると『これはどこの鍵なの?』と」。 生徒は事前に質問を書いて提出しており「入湯税の質問がありましたが、三重県の温泉では一人150円の入湯税がかかってきます」と答えたりしていた。 「女性の比率は35%で、だんだん高くなっています。男性の育休取得率も85.8%で、男女共に働きやすい職場です」とPRも。 税理士の仕事については池田さんが解説。「会社とか、個人でお店をしている人から依頼を受けて、税金の難しい計算をして税務書類を作成して税務署に提出するのが主な仕事です」と。「税理士試験は毎年8月に行われ、会計学や税法の試験がありますが、毎年一つずつ受けて(何年かかけて)合格してもいい」と話していた。 川上さんは「野球選手と税金」と題して、竹内さんは「日本の税金は高いのか?」というテーマでそれぞれ話した。