【中山大障害】ニシノデイジー復活V 五十嵐雄祐騎手「GⅠを勝ってから勝てないレースが続いていたけど…」
五十嵐雄祐(40)=美・田村=騎乗の4番人気ニシノデイジーが、最終障害手前で先頭に立ち押し切り、2022年に続く中山大障害2勝目を挙げた。2着はエコロデュエル、3着はネビーイーム。昨年の覇者で2番人気のマイネルグロンは最終障害飛越後にバランスを崩して落馬、競走中止となった。 ◇ 長いトンネルを抜けた先に、再び最高の景色が待っていた。ニシノデイジーが2022年以来となる2度目のV。温かい拍手に迎えられた五十嵐騎手は拳を天に突き上げ、雄たけびを上げた。 「最高です。GⅠを勝ってから勝てないレースが続いていたけど、中山を得意としている馬なので、力を十分に出すことができました。きょうはデイジーが一番頑張りました」 序盤は先頭集団をうかがう位置で追走。自分のリズムを崩さず好機を待った。「切れるタイプではないと何度も乗って分かっていたので、最終障害、4コーナーは先頭でと思っていました」。10度目のコンビとなった鞍上の思惑通り、最終障害の前で堂々と先頭に立つと、直線では観衆の視線をくぎ付けにした。 平地重賞2勝の実績を引っ提げ、障害転向4戦目で王者に上り詰めた2年前。ただ、そこから善戦するも勝ち切れず、7連敗を喫した。久々の美酒に高木調教師は「強かったね。丈夫で何よりだし、大事に使ってきているので、よかったです」と目尻を下げた。雌伏の時を経て、ひと回り大きくなった名ジャンパー。夕焼けの空がよく似合っていた。(山口遥暉) ■ニシノデイジー 父ハービンジャー、母ニシノヒナギク、母の父アグネスタキオン。鹿毛の牡8歳。美浦・高木登厩舎所属。北海道浦河町・谷川牧場の生産馬。馬主は西山茂行氏。戦績32戦6勝(うち障害12戦3勝)。獲得賞金3億3942万8000円(うち障害2億1493万3000円)。重賞は2018年GⅢ札幌2歳S、GⅢ東京スポーツ杯2歳S、22年J・GI中山大障害に次いで4勝目。中山大障害は五十嵐雄祐騎手が13年アポロマーベリック、22年ニシノデイジーに次いで3勝目、高木登調教師は22年ニシノデイジーに次いで2勝目。馬名は「冠名+すてきなもの」。