アカデミー賞マレーシア代表、スラム地区に住む兄弟の過酷な運命描いた「Brother」公開
マレーシアと台湾の合作映画「Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり」が、2025年1月31日に公開されるとわかった。 【画像】「Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり」場面写真 第97回アカデミー賞の国際長編映画賞マレーシア代表に選出されている本作。クアラルンプールの荒廃したスラム地区プドゥを舞台に、身分証明書(ID)すら与えられず、人間としての基本的な権利を奪われて生きてきた兄弟の過酷な運命が描かれる。聾唖である兄・アバンは市場の日雇い労働で堅実に生計を立て、弟のアディは簡単に金が手に入る裏社会とつながっていた。ある日、アディの実父の所在が判明したことで、IDが発行できる可能性が浮上。しかし、ある事件が2人の未来に影をもたらす。 台湾俳優のウー・カンレンがアバンを演じ、第60回金馬奨で最優秀主演男優賞を獲得。マレーシアで活動するジャック・タンが無鉄砲な弟アディに扮した。アバンとアディの育ての親であるマニー役でタン・キムワン、社会の底辺に生きる人々に寄り添うジアエン役でセレーン・リム、アバンに思いを寄せるミャンマー人シャオスー役でエイプリル・チャンが出演。劇中歌にはテレサ・テンの「千言萬語」が使用され、ジャック・タンの妻で歌手のユン・メイシンが歌唱を担当した。第25回ウディネ・ファーイースト映画祭では、観客賞にあたるゴールデンマルベリー賞など3部門で受賞を果たしている。 監督・脚本を手がけたのは、本作で長編デビューを果たすジン・オング。彼は「この映画が日本の観客に、マレーシアで起きている現実を理解し、登場人物たちの苦悩を感じてもらえることを願っています」とコメントした。 「Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり」は東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、大阪・テアトル梅田ほかで公開。 ■ ジン・オング コメント この映画が日本の観客に、マレーシアで起きている現実を理解し、登場人物たちの苦悩を感じてもらえることを願っています。私はよく、どれほど世界が不公平であろうとも、人生が困難になろうとも、心に愛があれば、それがすべてを乗り越える勇気を与えてくれると言います。愛こそが希望をもたらす唯一の力です。このメッセージを観客の皆さんと共有したいと思っています。 いつか日本で映画撮影に参加できる日が来ることを楽しみにしています。それはきっと素晴らしい体験になると信じています。 (c)2023 COPYRIGHT. ALL RIGHTS RESERVED BY MORE ENTERTAINMENT SDN BHD / ReallyLikeFilms