「真摯な恋愛と淫行」想定例で見る線引きの難しさ 長野で処罰条例成立
《想定例C》21歳の独身男性と17歳の女子高校生がネットで知り合い、ホテルへ行ったとき、女子高校生は男性の体のいれずみを見せられた。女子高校生は「怖い」と感じたが、同時に「男らしい」とも思って性交渉をした。1か月ほど付き合った後、男性から連絡がなくなり一方的に振られたため、腹いせもあって「いれずみが怖くて性交渉に応じた」と被害届を出した。 ・弁護士「『怖いけど男らしい』『嫌なところもあるけど好き』など矛盾するような微妙な心の動きがある。押したり引いたりの駆け引きもある。ある一面だけを捉えて処罰することにならないかという懸念がある」 ・長野県弁護士会の会長談話から「真摯な恋愛においても見方によっては『威迫』『欺罔』『困惑』のような行為があり得る。2人の関係が真摯な恋愛関係か否か、否であれば罰する可能性も出てくるが、その線引きが難しく、本来罰するべきでない行為に捜査が及んだり、当事者の一方的な被害申告で処罰される可能性も高い」
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説