「夏場の男性臭が苦手」発言でフリー女子アナ“即刻契約解除”に厳しすぎの声も… “契約”の観点ではやむなし?
契約解除を不服に裁判したら勝てるのか
とはいえ、いきなり契約を解除された川口氏が契約解除を不服とし、訴訟を提起した場合、勝ち目はあるのか。 「契約の解除自体を争うということなら、解除に至ったいきさつから考えても難しい可能性が高く現実的ではないでしょう。ただ、すでに対応した仕事の報酬が残っていたり、契約期間が残っていて、それに伴い支払われるべき報酬が払われていなかった場合など、その支払いを求めるということであれば、目はあるでしょう」(辻本弁護士)
個人の感想も言えないのは厳し過ぎなのか
今回の川口氏の投稿を巡っては、あくまで個人の意見であり、「こんなことも言えないなら、なにもいえない社会になる」と危惧する声もある。社員研修などでSNSとの向き合い方なども指導する辻本弁護士は、この点について次のように見解を述べる。 「不特定多数が目にする場所に意見を投稿するときは、まず読んだ人がどう感じるかを想像することが大切です。どんなにいい意見だと思っても、読む人によって不快に感じる人がいるかもしれない。 そうした配慮ができないなら投稿をしないことが一番ではあります。あとは、投稿前に第三者に内容をチェックしてもらう。思ったことをそのままSNS上に投げるリスクについて十分にイメージできないと、その代償は大きいです」 <夏場の男性の匂いや不摂生している方特有の体臭が苦手すぎる>。ここまでなら許容できても、<1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい…>はアウトかもしれない。当人にすれば、あくまでひとつの例えのつもりだったとしても、働く男性にはほぼ実行不可能であり、難癖と感じる人も多いだろう。
炎上回避ならより求められる言葉選びの慎重さ
8月11日に閉幕したパリ五輪では、SNS上で選手に対する誹謗(ひぼう)中傷や心ない投稿が問題視された。仲間内や、独り言レベルなら、思ったことをそのまま口にしたり、多少の暴言・失言も許されるかもしれない。だが、SNS上は不特定多数が群がる場。それも対面でないだけに、言葉選びにはより慎重さと想像力が求められる。 VOICE社はその後「多数の問い合わせがあった」として16日に改めてHP上でメッセージを発信。契約解除については、「当社宛に川口氏の発言で深く傷ついたという内容のメールや問い合わせが多数届いた」と説明。川口氏との関係性については、「本件以外に於いて良好でありました」と補足した。 また、今後の対策として、「所属アナウンサー並びに従業員に対して、SNS投稿についてのルールの設定」を行うことも報告した。
弁護士JP編集部