[MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16]総合力やタフさでライバルたちを凌駕。名門・前橋育英がFW立石の決勝点で尚志を下し、初のU-16日本一!
[12.16 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16決勝 前橋育英高 2-1 尚志高 時之栖うさぎ島G] 【写真】「可愛すぎ」「佐々木大樹のモノマネ?」乃木坂46五百城茉央さんがオフショット公開 名門・前橋育英が初優勝! “U-16日本一決定戦”2024 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16ルーキーリーグは16日、時之栖うさぎ島グラウンド(静岡)で決勝を行い、前橋育英高(関東1/群馬)と尚志高(東北1/福島)が激突。前橋育英が2-1で勝ち、初優勝を果たした。大会MVPには、前橋育英のMF松下歩夢が選出されている。 勝者が喜びを爆発させ、敗者は表彰式を終えて会場を離れた後も涙を流していた。80分間の熱戦を視察したミズノブランドアンバサダーの中村憲剛氏が、「自分が高校1年生の時に比べて遥かにレベルも違いますし、みんな上手いし、強いし、速いし、素晴らしい決勝戦でした」と総評したファイナル。接戦を前橋育英が制し、参加16校の頂点に立った。 関東王者の前橋育英は準決勝で山梨学院高(関東3/山梨)に2-1で逆転勝ちするなど予選リーグから4連勝で決勝進出。先発はGK根岸彗也、右SB石川悠介、CB小林惺十郎、CB深見翔太、左SB高橋虎太郎、松下と山本翼のダブルボランチ、右SH箱田航大、左SH韮澤海成、そしてFW関蒼葉と瀬間飛結の11人だった。 一方の尚志は予選リーグ初戦で市立船橋高(関東2/千葉)と0-0で引き分けたものの、その後の3試合で計15得点。準決勝で高川学園(中国2/山口)に3-2で逆転勝ちし、2021年以来の決勝へ進出した。初優勝をかけた決勝の先発はGKが古川昌和、右SB中村快生、CB星宗介、CB中村一平、左SB寺田悠真、中盤中央に瀧田悠と若林衣武希、右SH大熊瑠空、左SH奥村玲央、そして前線に須釜朱王と京増倫泰が構えた。 立ち上がりから尚志がボールを保持する時間を増加。中村一、星の両CBとDFラインまで下りる瀧田がボールを左右へさばき、ロングボールを前線やハイサイドへ入れて起点を作る。対する前橋育英はボールを奪うと、より攻め切ろうとする姿勢を見せていた。 前半7分、左中間から仕掛けた関が左足シュート。さらにインターセプトから瀬間がドリブルで切れ込み、右足を振り抜く。そして15分には、左サイドから鋭く仕掛けた韮澤が左CKを獲得。このCKを松下が右足で蹴り込むと、ニアの関が頭で合わせて前橋育英が先制した。 尚志も奥村の仕掛けなどで反撃。24分には左SB寺田のフィードを前線の須釜が収める。須釜は左へのターンからわずかにフェイントを入れてマークを外し、右足シュート。これがゴール右に決まった。須釜の得点ランキング単独首位に立つ今大会5得点目で1-1。ただし、前半はともに相手の守備強度の高さを警戒した部分があったか、互いにロングボール中心のやや単調な攻撃が増えていた。 前橋育英の小林と深見、尚志の星と中村一の両CBは互いに前に強く、ロングボールに対して競り負けない。その中で出足の速い尚志はセカンドボールをより多く回収し、ボールを保持しながらオープン攻撃。34分には奥村の左クロスから大熊がシュートを狙う。また随所で上手さを見せる若林や京増が係わる形で崩しに持ち込もうとした。 ただし、前橋育英は右SB石川が際の強さを見せ、左SB若林が対人守備で奪い返すなど安定した守り。ゴール前に入って来るボールもGK根岸が確実に処理して小林、深見のフィードや松下のプレースキックなどで攻め返した。 その前橋育英は後半開始から韮澤、関、瀬間をMF安藤大地、FW佐々木悠太、FW立石陽向へ3枚替え。小柄ながら活動量の多さと相手を見ながら判断を変える力の光る安藤や前線でボールを良く収めた佐々木、そして関東AリーグMVP、得点王の立石がチームのギアを上げた。 後半4分、前橋育英は箱田の右クロスから立石がPKを獲得。だが、立石が右足で放ったPKは尚志GK古川が読み切ってストップする。それでも、「試合中は全然焦りもなく、『決めればいいでしょ』みたいな、そういう気持ちでやりました」という立石がすぐに勝ち越し点を決めた。 後半9分、GK根岸が自陣から右足FK。相手ゴール方向へ飛んだボールに立石が競ると、素早くボールを拾って右への動きでDF2人の前に潜り込む。最後はスライディングしながらの右足シュートでゴール。選手権登録メンバーにも入っているエースが、PK失敗を挽回するファインゴールで歓喜をもたらした。 再び追う展開となった尚志は、果敢に攻撃参加する寺田と突破口になっていた奥村の左サイドを中心に反撃。前半に比べて高い位置でボールを動かし、相手を押し込む。22分には若林のパスで中村快がPAへ侵入。だが、前橋育英は守備範囲の広さと際の強さを見せていた山本がカバーし、シュートをブロックする。 前橋育英は逆に安藤の切り返しからの左足シュートなどで攻め返すと、24分には松下の絶妙なスルーパスで立石が抜け出す。だが、右足シュートは左ポストをヒット。尚志もFW浦川慶を加えた後の28分に寺田が左サイドをえぐり、そこから連続シュートを放つ。だが、前橋育英DF陣が懸命にブロックする。 前橋育英は守備意識高く戦いながら、良い形でボールを奪った際には速攻。立石がワンツーからシュートへ持ち込むなど、攻め切る力を示していた。終盤、DF迫田悠聖をボランチに入れた尚志はいずれも瀧田のパスから浦川や若林がシュートへ持ち込むが、最後まで追いつくことはできず、試合終了。前橋育英の指揮を執った櫻井勉コーチは、「3日間、色々な選手みんなで頑張れたかなっていうところと、3日間の中でチームも、選手も成長できたかなっていうのはありました。今日の相手も尚志さんでしたし、準決勝の山学さんもそうでしたけど、そういう全国トップレベルのチームと、このタフな戦いの中で、相手をちょっとでも上回る要素がチームとして出せた」と評価した。 控えGK2人以外は遠征メンバー全員が出場。ともに主軸の小林や山本翼が怪我で欠場する試合がありながら、チームで掴んだ優勝に櫻井コーチも「総合的に、タフにチームとして戦うことができたのかなと思います」。そして、「ここから上級生に入って競争する流れになるので。そこでは、1年生のプレーでは上では通用しないとかあると思う。選手としての厚みを作って、ここでの経験を次に繋げてもらえれば1番かなと思います」と期待した。 選手権、インターハイで計3度の日本一の歴史を持つ前橋育英にとって初となる“U-16日本一”。選手たちは素直に優勝を喜んだが、すぐに先を見据えていた。立石は「ずっとチームとして『ルーキーリーグで日本一を取る』っていうことを掲げてやってきて、それで日本一取れたので良かったけど、自分も含めてまだたくさん課題が見つかったし、これからももっと成長できるようにチームとしてやっていければなと思います。今、日本一取ったのはもちろん嬉しいですけど、選手権、絶対日本一取りたいってみんな言ってるんで、それに向けて頑張ります」と力を込めた。この優勝を自信と良い経験に。高校3年間で、再び日本一を勝ち取る。
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