頭上からミストシャワーを浴びて創成川通を駆け抜けるランナーたち（北波智史撮影）

　約2万人のランナーが出場して25日に行われた北海道マラソン2024（北海道新聞社などでつくる組織委主催）は、酷暑だった前大会の教訓を生かして暑熱対策に力を入れた。給水所を増設し、霧が吹き出す「ミストシャワー」などを新設。札幌市中心部は正午過ぎに最高気温28・9度となったが、ランナーたちは「昨年より走りやすかった」と効果を実感していた。 【動画】北海道マラソン2024　中村匠吾　カムルともに初V　1万7705人が出場 　札幌管区気象台によると、スタートから間もない午前9時の同市中央区の気温は24.6度。気温や湿度などに基づいて環境省が発表する5段階の「暑さ指数」は、下から2番目の「注意」に当たる24.1だった。 　昨年はスタートの午前8時半時点で同区で29.2度を観測。選手から「5キロ地点で給水できなかった」との声が多数寄せられた。出場者10人が熱中症とみられる症状で搬送されたこともあり、今大会ではより一層の暑熱対策が求められていた。 　組織委は出場者の要望を反映して2キロ地点に給水所を新たに設けて19カ所に増やした。加えて9.5キロ地点にミストシャワー、28.2キロ地点には水かぶりポイントを初めて設置。暑さ指数によって開催可否を判断する基準も初めて採用した。 　昨年から2年連続出場の札幌市豊平区のシステムエンジニア小都もえこさん（26）は「熱気がこもる創成トンネルを出た瞬間のミストシャワーが涼しく気持ちよかった」。東京都の会社員岡原太一さん（51）は「涼める場所を意識して昨年より増やしたんだなと感じた。ただ、シャワーや水を浴びられる地点がもっと増えてもいいと思う」と話した。