「みさき公園」南海撤退とともに運営終了へ 後継事業者実現ならず・動物はアドベンチャーワールドなどへ
3月31日で運営を終了、63年の歴史に幕
「みさき公園」南海撤退とともに運営終了へ 後継事業者実現ならず・動物はアドベンチャーワールドなどへ
大阪府岬町で遊園地と動物園を併設する「みさき公園」の事業から今年3月末をもって撤退すると発表している南海電鉄は13日、3月31日で運営を終了すると発表した。同社は撤退後の後継事業者を求めていたが実現には至らず、63年にわたる「みさき公園」の歴史は幕を閉じることとなった。また、同園の飼育動物は、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドをはじめ、複数の動物園等に受け入れを依頼し、協議を進めていることも発表した。 【表】みさき公園・近年の営業成績 年間入場者40万人を超えた年も含め赤字が続いていた
1957年に開園、動物園と遊園地を併設
同社によると、みさき公園は1957年に開園。動物園と遊園地を併設しており、みさき公園駅のある南海本線沿線の大阪府内のファミリー層を中心に人気を集め、和歌山県からの来園者も多かった。 また、1987年からは大型レジャープール「ぷ~るらんどRiO」を開設するなどし1989年度には年間来場者が72万人を記録。開園当初から動いている西日本最古のジェットコースターや、こちらも開園時から変わらない動物園のサル山など「昭和の雰囲気が漂う遊園地」として人気を博していた。 しかし、近年、年間来場者数は減少傾向が続き、2017年度は約36万人となり、長期にわたり営業損益の赤字が続いていた。
今月29日から「卒園展~みさき公園63年間のあゆみ~」を開催
今回の運営終了決定を受け、同園では今月29日から「みさき公園の卒園式~たいへんよく遊びました~」を開催。これまでの歴史を年表や写真などで振り返る「卒園展~みさき公園63年間のあゆみ~」や利用客に出演してもらうポスター企画なども行う予定だという。詳しい内容は、同園の公式サイトに掲載されている。
動物は和歌山「アドベンチャーワールド」が譲り受け
また、同社では同園で飼育している動物について「アドベンチャーワールドをはじめ複数の動物園等に受け入れを依頼し協議を進めているところ」「受け入れ先が決まらない動物については、2021年3月31日までを目途に最終受け入れをしていただくことになりました」と発表した。
一方、アドベンチャーワールドも公式サイトで次のように発表した。 「みさき公園で飼育されている動物(すでに移転先が決定もしくは交渉中の動物は除く)をアドベンチャーワールドが譲り受けることとなりました。2021年3月末を目途にみさき公園から全ての動物の移転をすることを目指し、アドベンチャーワールドで動物たちを受入れるための準備と新たな受入れ先について関係各所と協議を進めてまいります。この度の決定に際しまして、ご尽力くださいました南海電鉄様に感謝を申し上げますとともに、みさき公園で地域の皆様に長年愛されてきた、大切な動物たちが安心して暮らせる未来に責任を持って取り組んで参ります」