「古賀紗理那は幸せをアピールすればいい」「石川祐希&真佑兄妹にはテレビ出演を」眞鍋政義監督が明かす“女子バレー人気アップ大作戦”
パリ五輪までに男子バレーの人気を上回る
「眞鍋は監督なのに、そんなプロデューサーのようなことまでやっているのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれない。もちろん、勝つこと、オリンピックに出場することが私の最重要課題だ。一方で、女子バレーの人気を上げることも代表監督の使命だと思っている。「パリまでに男子の人気を上回る」。もしかしたらメダルを獲るより難しいかもしれないが、それも私の目標なのである。 これはいろんな方から指摘されたが、東京オリンピックの女子代表の名前を言える人が世間にどれだけいるだろうか? 古賀紗理那はバレー界では有名だが、かつての竹下佳江や木村沙織のように、老若男女、誰もが知っているスター選手とまではいかない。東京オリンピックの代表チームは、良くも悪くも監督の中田久美が一番の有名人だった。
テレビを積極的に使うメディア戦略
人間は注目されると変わる。人気が出て応援されればされるほど、スポーツ選手はがんばるようになる。メディアからの取材は、世間の注目度のバロメーターだ。メディアに取りあげられて人気が出れば、選手のモチベーションも上がる。監督として、それを利用しない手はない。マスコミの力を借りて選手のやる気を引き出すのは、強化策のひとつでもあるのだ。 松平康隆さんら先人たちがテレビ局との協力関係を築いてくれたおかげで、バレーボールの大きな大会はゴールデンタイムで放送される。それに関連して特番が作られたり、情報番組で宣伝してもらえたりもする。 だから、私もテレビ局からの依頼にはできるだけ応え、選手といっしょにバラエティ番組に出ることもある。選手の名前をできるだけ多くの人に覚えてもらいたいからだ。 ただし、バラエティ番組には注意が必要だ。テレビ局としてはルックスがよかったり、キャラクターがおもしろかったりする選手を選びたがる。しかし、まだ代表歴が浅く、試合にもあまり出ていない選手を出演させたりすると、チーム内に嫉妬や軋轢(あつれき)が生じる。そこはきちんと考えて調整しなければならない。 テレビを積極的に使うメディア戦略は、今回に限らず、前回の監督時代からやってきた。ロンドン、リオ大会までの8年間は合宿中、毎日TBSとフジテレビのカメラが入っていた。私はそれを選手のモチベーションアップにも使っていた。 たとえば、調子の悪い選手がいたら、「今日はあの選手にインタビューしてくれへんか。5分でいいから」と取材に来ているスタッフにお願いする。そして、インタビュー中、「眞鍋監督が○○選手には期待していると言っていましたよ」と伝えてもらうのだ。そうすると、その選手は奮起する。直接言うよりも、メディアを使ったほうが効果的なこともある。コミュニケーションは使い分けが重要だ。 <続く>
(「バレーボールPRESS」眞鍋政義 = 文)
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