嘉穂劇場、指定管理で31年度再開へ 水害被害、コロナ禍で経営悪化
江戸時代の歌舞伎様式を残す木造芝居小屋で、2021年に休館した福岡県飯塚市の「嘉穂劇場」(国登録有形文化財)について、市は31年度に再開する方向で最終調整に入った。12日に開く有識者による市文化施設活用検討委員会で最終決定される見通し。 【写真まとめ】半世紀の歴史に幕 閉館のセンチュリーロイヤルホテル 嘉穂劇場は1931年開館。直径16メートルの回り舞台や二つの花道が特徴で、美空ひばりや山口百恵、力道山ら多くの著名人が舞台に立った。2003年の水害で壊滅的被害を受け、俳優の故・津川雅彦さんや明石家さんまさんらや市民の支援で復興したが、新型コロナウイルス禍で経営が悪化。運営NPO法人が21年に解散したため、無償で施設を譲渡された市が活用策を模索してきた。12日の検討委では市の素案をもとに協議する。 素案によると、指定管理者制度を導入し、劇場での公演と観光施設としての公開を主軸に事業展開する方針。フランチャイズ契約による定期的な大型公演や、ロックイベント、子ども百人一首大会などの事業を検討する。収容規模は1000人程度を想定。27年度までに運営者を選定し、施設の改修工事後にリニューアルオープンを目指す。【岡村崇】