「サメ注意報」続く海岸 どうすればいい?
サーフィン中の男性がサメに腕をかまれ、大けがを負う“事件”が愛知県豊橋市でありました。現場の海岸には注意を呼び掛ける看板が立てられ、週末の子ども向けイベントも変更を余儀なくされています。一方で「あまり怖がりすぎないで」という声も。これから海水浴シーズンを迎えますが、何かと興味の的となるサメと、どう付き合っていけばいいのでしょう。 ■サーフィン中にガブリ 発生は9日午後4時ごろ。愛知県東部の渥美半島の付け根、太平洋に面する表浜(おもてはま)海岸で仲間と一緒にサーフィンに来ていた同県蒲郡市の消防本部に勤める男性(43)が、海岸から30メートルほどの浅瀬で波を待っていたところ、突然サメに左腕の上腕部をかみつかれました。 サメはかみついたまましばらく暴れた後、口を離して再び海へ。男性は血まみれの腕を押さえて海岸まで自力で戻り、仲間の車で病院へ運ばれました。30針ほどを縫い、そのまま入院。「サメの頭は人間の顔ぐらいの大きさ。種類は分からない」と話しているそうです。これを受けて豊橋市消防本部は海岸に「サメ目撃情報あり!」と書いた立て看板を出し、ホームページでも「サメにご注意を」と呼び掛け始めました。 発生から3日たった12日、現場にはさすがにサーファーの姿は見られませんでしたが、地元の大学生らのグループがバーベキューなどをしに来ていて、波打ち際で遊んでいました。「サメが出たという話は聞きましたけど、ここだとは知りませんでした。気をつけます」と女子大生の1人はきょとんとしていました。 ■過去には死亡例も 事件のあった愛知県では1995年、同じ渥美半島の田原市沖約1キロで貝を採っていた漁師がホオジロザメに襲われて死亡しています。しかし、「ここ数年は目撃例もなかったので、突然けが人が出て驚いている。サメがどこにどれだけいるかは分からず、看板などで注意を呼び掛けるしかない」と豊橋市消防本部。内海に海水浴場のある田原市は沖合にネットを張るなどの対策をすでにとっているのに対し、外海で海水浴場のない豊橋市では対応が取りにくいという事情もあります。また、他の地域も例外ではありません。瀬戸内海でもたびたびサメによる被害が報告されています。 15日には豊橋市の児童施設が自然体験プログラム「表浜サマースクール」で小中学生にもサーフィンをしてもらう予定でしたが、海には入らず砂浜での体験にとどめることにしました。担当者は「プロのサーファーらの協力を得て開くイベントなので、サメが出たという情報はすぐ入ってきて一部変更を決めました。8月も子ども向けのサーフィン体験を予定していますが、やはりサーファーらの意見をよく聞き、海の状況を確かめて対応を決めたい」としています。