ブラックロック、政策転換後の日本への投資機会を高く評価
(ブルームバーグ): 金融政策の転換とコーポレートガバナンス(企業統治)改革の進展で、日本は世界の投資家にとって魅力的な投資先になっていると、ブラックロックのアジア太平洋地域責任者スーザン・チャン氏が語った。
「市場は転換し、大きな弾みがついている」と、チャン氏は14日にスタートしたブルームバーグのポッドキャスト「タイガー・マネー」とのインタビューで発言。「基本的に、数十年にわたるデフレと経済停滞に終止符が打たれようとしている」と指摘した。
金利の正常化とインフレの復活は、日本国民が現金から上場投資信託(ETF)のような投資にシフトするのを後押しするだろうとチャン氏は語った。日本の家計は2141兆円の金融資産の半分以上を銀行預金に置いている。
チャン氏によると、ブラックロックは日本を、ETFやプライベート市場と並ぶアジアにおける主要なビジネスチャンスと位置づけている。同社はポートフォリオを見直している顧客のニーズの変化に対応しようとしている。日本銀行は3月に世界で最後のマイナス金利を解除し、日本株は今年、34年ぶりに最高値を更新した。
高齢化は日本にとって難題だが、オートメーションやロボット、半導体に注力している日本は、同じ問題に直面する国が増える中で恩恵を受ける「好位置」にいるとチャン氏は言う。
「これらのテーマはすべて、世界的に非常に重要なものになってきている。そのため、日本は参入を目指すべき驚くほど素晴らしい経済になっている」と同氏は語った。
チャン氏によると、ブラックロックは中国の2つのオンショア事業で成長を続けている。不動産市場の低迷をはじめとする課題や地政学的緊張が依然として見通しに「影を落とす」中で中国市場は過去1年半の間、パフォーマンスが低迷したが、チャン氏は中国政府が前向きな政策変更を行っていると指摘する。
また、世界の投資家は中国の成長率への期待を引き下げる必要があるとも指摘し「成長率が5%でも中国は成長し続け、問題を解決していくだろう」と述べた。「ただ、もう少し時間がかかるだろう」と付け加えた。